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JPYCはどんなステーブルコイン?JPYSCとの違いや将来性について初心者の方にもわかりやすく解説
暗号資産の入門書

公開日:2026年8月7日
最終更新日:2026年8月7日
JPYCとは、日本円と1対1の価値で連動するステーブルコインです。
1JPYC=1円で設計されており、日本円をそのままインターネット上で送れるようにしたものというイメージです。
そんなJPYCについて、名前は見かけるけど安全なのか、どこで買えるのか、暗号資産や他のステーブルコインと何が違うか気になっている方も多いはずです。
JPYCの仕組みを理解しないまま購入すると、思っていたものと違うと後悔することになります。
特に、JPYCは値上がりを狙う暗号資産ではなく、1JPYC=1円で設計されており、ビットコインのように価格が上下することがないのが大きな特徴です。
本記事では、JPYCの仕組みや他のステーブルコインとの違い・将来性を中心に解説しています。
記事を読むことで、JPYCが自分に必要なステーブルコインかを落ち着いて判断できます。
以下の記事では、ステーブルコインの仕組みやどこで買うのかを解説しています。
ステーブルコインはどこで買う?具体的な購入方法はこちらで解説
目次
- JPYCとは?価格が安定する仕組み・誕生の背景をわかりやすく解説
- JPYCと他ステーブルコインの違いは?連動資産・発行体・リスクから比較
- JPYCのメリットを4つのポイントに分けて解説
- JPYCはどこで買える?事前準備から購入方法までの流れを解説
- JPYCはどこで使える?実際の利用シーンを紹介
- JPYCを日本円に戻す方法|換金の手順と注意点
- JPYCのデメリットやリスク|事前に知っておきたい5つの注意点
- JPYCに税金はかかる?確定申告が必要なケースを解説
- JPYCの将来性は?これからの見通しをわかりやすく解説
- JPYCに関するよくある質問と回答
- JPYCは仕組みやリスクを理解した上で自分に合った使い方を見つけよう
JPYCとは?価格が安定する仕組み・誕生の背景をわかりやすく解説

JPYCとは、JPYC株式会社が発行する日本円と1対1で価値が連動するように設計されたステーブルコインです。
JPYCは、1JPYC=1円の価値を保つように設計されており、ビットコイン(BTC)のように価格が大きく上下することはありません。
ここでは、そんなJPYCについて以下の項目を解説していきます。
JPYCの基本的な特徴を確認できるので、参考にしてみてください。
JPYCの基本情報一覧|発行体・裏付け資産・対応チェーン・発行上限
JPYCとは、日本円と1対1で連動するデジタル資産です。
JPYCを発行しているのはJPYC株式会社で、JPYC株式会社は発行された金額と同じかそれ以上の日本円(預貯金・国債)を裏付け資産として用意しています。
JPYCの具体的な基本情報を、以下の表にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | JPYC(ジェーピーワイシー) |
| 発行体 | JPYC株式会社(第二種資金移動業者として登録) |
| 連動する価値 | 日本円と1対1で連動(1JPYC=1円) |
| 法的な位置づけ | 資金決済法上の「電子決済手段」 |
| 裏付け資産 | 発行残高と同額以上(100%以上)の日本円・国債を保有し、法律にもとづき保全 |
| 対応チェーン | Ethereum・Polygon・Avalanche・Kaia (2026年7月時点) |
| 正式発行日 | 2025年10月27日 |
| 発行(購入)の上限 | 1回あたり100万円まで(最低3,000円から) |
| 発行・払い戻しの手数料 | 無料(振込手数料やガス代は自己負担) |
| 主な用途 | Web3決済・NFT・DeFi(分散型金融) |
| 起こりうるリスク | 法規制や発行会社に関するリスク |
| 国内取引所での取り扱い | なし ※JPYC EXでのみ購入可能 |
※2026年8月7日調べ
表の中で、特に押さえておきたいのが対応チェーンと発行上限についてです。
対応チェーンとは、JPYCが流通するネットワークのことを指します。
JPYCは複数のチェーンに対応していて、JPYCを発行(購入)するときに、どのブロックチェーンで受け取るかを選ぶことができます。
同じJPYCでも、チェーンによってガス代(送金にかかる手数料)や特徴が異なります。
JPYCが対応しているチェーンの種類やおおまかな違いは以下の通りです。

初めて利用する方は、手数料が安く、JPYCの流通量も最も多いポリゴン(POL)を選んでおけば問題ありません。
注意点として、ガス代はJPYCでは支払うことができません。
イーサリアムならETH、ポリゴンならPOLというように、チェーンごとの暗号資産が少量必要です。
また、JPYCはチェーンをまたいだ送金ができません。
例えば、Polygonで持つJPYCをEthereumのアドレスに送ってしまうと、送った暗号資産は返ってこないので注意が必要です。
次に、発行上限に関しては、1回100万円に設定されています。
これはJPYC株式会社が、第二種資金移動業者として登録されていることによる、法律上の決まりです。
発行上限に関しては、個人が送金や決済などに使う分には問題になりませんが、まとまった金額を扱う法人の場合は制約になり得るため、事前に確認しておくと安心です。
このように、JPYCは法律にもとづいて裏付け資産が守られた、デジタルの日本円です。
JPYCの価格が安定する仕組み
JPYCの価格が1円付近で安定しやすいのは、発行元のJPYC株式会社が、1JPYC=1円で日本円への払い戻しに応じているからです。
なぜ1JPYC=1円で戻せるのかというと、発行された残高と同じ額以上の日本円と国債が、裏付けとして守られているためです。
この裏付け資産があるからこそ、公式サービスのJPYC EXで、1JPYC=1円の発行(購入)と払い戻しができます。
またJPYCは、公式サービス以外にも、プログラムが自動で交換を行う交換所(DEX)でも取引されています。
こうした場所では、その時の売り買いのバランスで価格が1円から少しずれることがあります。
ただし、価格がずれることで得する人が出てくるため、1円付近に戻りやすい仕組みになっています。
具体例は、以下の画像をご確認ください。

JPYCを安く買って1円で換えられるなら、その差額分だけ得をすると考える人が買いに動くため、価格は1円へ押し戻されます。
逆に1円より高くなれば、公式で発行して売るという動きが出てくるため、価格は1円へ近づきます。
このように、価格が1円からずれるたびに、得をしようとする人の動きによって1円へ戻っていきます。
これがJPYCの価格が安定する仕組みです。
※実際の払い戻しにはJPYC EXの口座開設や事前の手続きが必要で、手数料もかかります。ここでは仕組みを示すための例と考えてください。
JPYCは資金決済法上では電子決済手段という位置づけ
JPYCは、資金決済法上では、暗号資産ではなく電子決済手段として位置づけられています。
電子決済手段とは、2023年の法改正で作られた区分で、日本円などの価値に連動し、同じ金額での払い戻しを前提とするデジタル通貨を指します。
資金決済法2条5項が定める典型的な要件は、以下の3つです。
- ①電子的に記録・移転できる通貨建資産であること
- ②不特定の相手への支払いに使えること
- ③不特定の相手と売買できること
参照メディア:e-Gov 法令検索 | 資金決済に関する法律
JPYCは、ブロックチェーン上で発行され、相手を選ばず誰のウォレットにも直接送れるため、この3つの要件を満たしており、電子決済手段に該当します。
これに対し、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような暗号資産は、価値を保証する発行者がいません。
暗号資産の価格は、買いたい人と売りたい人のバランスだけで決まるため、結果として価格が大きく上下します。
法律上も、暗号資産は、日本円などの法定通貨で価値が決まる「通貨建資産」には当たらないものとして扱われます。
一方の電子決済手段は、日本円の価値と結びついたデジタル資産です。
発行者が同じ金額での払い戻しに応じることで価値が保たれるため、決済や送金に使うことが想定されています。
同じデジタル通貨でも、法定通貨に紐づいているかどうかで、法律上は別のグループに分けられているのです。
JPYCを使う人が把握しておくべき、JPYCと暗号資産グループとの違いは以下の3点です。
- 1JPYC=1円で日本円に払い戻せることが前提になっている
- 裏付け資産の保全が法律で義務づけられている
- 値上がり益を狙う商品ではなく支払いや送金に使うもの
なお、電子決済手段は、発行する側と売買・仲介する側で必要な登録が分かれています。
発行や払い戻しを行う行為は、為替取引にあたるため、銀行業の免許か資金移動業の登録が必要です。
JPYC株式会社が、資金移動業者として登録されているのは、このためです。
一方で、発行されたものを売買したり仲介したりするには、暗号資産交換業とは別に電子決済手段等取引業という登録が必要とされています。
つまり、取引所がJPYCを扱うには、電子決済手段等取引業の登録を新たに受ける必要があります。
これが、JPYCが国内の暗号資産取引所で取り扱われにくい要因とも考えられています。
このように、JPYCは値動きで利益を狙う暗号資産ではなく、法律にもとづく登録を受けた会社が発行する、日本円と連動した決済用のデジタル通貨だと理解しておきましょう。
JPYC誕生までの背景や正式発行までの歴史
JPYCが、今の形で正式に発行されたのは2025年10月27日ですが、突然生まれたわけではありません。
その背景には、発行元であるJPYC株式会社の約4年にわたる歩みと、日本の法整備があります。
まず、JPYC株式会社は2021年から前払式の旧JPYC(JPYC Prepaid )を発行し、日本円と連動するデジタル通貨の普及に取り組んできました。
前払式とは、Suicaや図書カードと同じ、前払式支払手段という区分のことです。
先に日本円を払って残高をチャージし、その範囲で支払いに使う仕組みで、法律上、原則として現金への払い戻しができません。
旧JPYCも同様で、買うことはできても日本円に戻すことができませんでした。
また、使い道も限られており、1JPYC=1円で必ず換金できるという約束がない以上、支払いに使える場所は、それを受け入れる一部のサービスに限られます。
以上のことが、旧JPYCが抱えていた最大の制約でした。
転機になったのが、2023年6月に施行された改正資金決済法です。
この改正により、ステーブルコインが暗号資産と完全に切り離され、電子決済手段という新しいカテゴリーとして定義されました。
これにより、条件を満たした場合に1JPYC=1円で払い戻せる形でのJPYCの発行が可能になりました。
法整備を受けて、JPYC株式会社は2025年8月18日に資金移動業者(登録番号は関東財務局長第00099号)として登録を受け、国内初の円建てステーブルコイン発行体となりました。
そして、同年10月27日、発行と払い戻しを行うJPYC EXの開設とともに、現在のJPYCの発行が正式に始まりました。
ここまでの流れを、年表で整理します。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2021年 | JPYC株式会社が前払式の旧JPYC(JPYC Prepaid)を発行開始 |
| 2023年6月 | 改正資金決済法が施行 ステーブルコインが「電子決済手段」として定義される |
| 2025年6月1日 | 旧JPYCの新規発行を終了 |
| 2025年8月18日 | 資金移動業者として登録 (関東財務局長第00099号) |
| 2025年10月27日 | JPYC EXの開設とともに現在のJPYCを正式発行 |
このように、JPYCは、同じ会社が法整備を待ち、前払式から作り直したステーブルコインです。
現在のJPYCは、約4年かけて、正式な枠組みのもとで発行し直されたという経緯があります。
なお、今のJPYCと旧JPYC(JPYC Prepaid)は、名前が似ていても別物です。
次で詳しく解説していきます。
【注意】現在のJPYCと旧JPYC(JPYC Prepaid)は別物
今の電子決済手段としてのJPYCと、旧JPYC(JPYC Prepaid)は、名前が似ているだけで中身は全く別のものです。
特に、日本円に戻せるかどうかが大きく違うため、これからJPYCの購入を検討している人は、今のJPYCを選ぶ必要があります。
旧JPYC(JPYC Prepaid)は、前払式支払手段のうち、自家型と呼ばれるタイプでした。
使える範囲が自社のサービス内に限られていたため、原則として日本円への払い戻しができませんでした。
その結果、旧JPYC(JPYC Prepaid)は、2025年6月1日に新規の発行が終了しています。
すでに持っている旧JPYC(JPYC Prepaid)は、これまで通りJPYC appsでのギフト券購入などの支払いや、残高の譲渡には使えるとされていますが、日本円での払い戻しは、現時点では予定されていないと案内されています。
電子決済手段としてのJPYCと旧JPYC(JPYC Prepaid)の違いは、以下の通りです。
| 項目 | 旧JPYC(JPYC Prepaid) | 現在のJPYC |
|---|---|---|
| 法的な区分 | 前払式支払手段(自家型) | 電子決済手段 |
| 日本円への払い戻し | できない | できる(1JPYC=1円) |
| 新規発行 | 2025年6月1日に終了 | 発行中 |
| 購入場所 | 新規入手は不可 | JPYC EX |
ここで気をつけたいのは、自分が購入しようとしているJPYCが、どちらに該当するかという点です。
特に、交換所(DEX)では、JPYCと表示されていても、旧JPYC(JPYC Prepaid)や偽のトークンが混じっていることがあります。
そのため、JPYCを購入する際は、それが今の電子決済手段としてのJPYCなのか、対応しているチェーンはどこか、公式が案内する本物のトークンかを確認することが重要です。
初めてJPYCを購入する際は、公式のJPYC EXで発行を受ければ、確実に今のJPYCを入手できます。
JPYCと他ステーブルコインの違いは?連動資産・発行体・リスクから比較

JPYCと他のステーブルコインの違いは、大きく以下の3点で整理できます。
- 何に連動しているか(連動資産)
- 誰が発行しているか(発行体)
- どんなリスクや制約があるのか
特に、日本円で連動するステーブルコインは、資金移動業型と信託型の2つの系統に分かれます。
| 種類 | 連動資産 | 発行のタイプ | 主な位置づけ |
|---|---|---|---|
| USDT・USDC | 米ドル | 海外発行 | 世界の暗号資産取引で広く使われている |
| JPYC | 日本円 | 資金移動業型 | 個人でも使える円ステーブルコインの先行役 |
| JPYSC | 日本円 | 信託型 | 2026年6月に発行開始 主に法人の大口決済向け |
| 銀行系ステーブルコイン | 日本円 | 銀行・信託型 | 企業間の大口決済を想定 準備が進行中 |
ここからは、JPYCとその他のステーブルコインの違いを順番に見ていきます。
USDTとUSDCとの違い
JPYCとUSDT・USDCの違いは、連動する通貨と発行会社だけではありません。
日本での利用を考えるなら、日本国内で買えるのか・日本円に戻せるかといった点が重要です。
以上の2点で見ると、国内で発行でき、1JPYC=1円で戻せるJPYCの方が使いやすくなります。
JPYCとUSDT・USDCの違いは、以下の表にまとめています。
| 項目 | JPYC | USDT | USDC |
|---|---|---|---|
| 連動する資産 | 日本円 | 米ドル | 米ドル |
| 主な発行体 | JPYC株式会社 | Tether社(海外) | Circle社(海外) |
| 日本での購入 | JPYC EXで購入可能 | 取扱いなし (2026年7月時点) | SBI VCトレードで購入可能 |
| 日本円に戻すとき | 1JPYC=1円で戻せる | その時の為替レートしだい | その時の為替レートしだい |
| 主な使いどころ | 日本国内・日本円中心の送金や支払い | 世界の暗号資産取引 | 世界の暗号資産取引 |
まず、連動する通貨が違うと、日本円で使うときの感覚が変わります。
USDTやUSDCは米ドルに連動しているため、日本円で使おうとすると、つねに円とドルの為替の影響を受けます。

例えば、USDCを日本円に換える場合も、そのときのレートで換算して交換することになります。
その点JPYCは、はじめから日本円に連動し、公式のJPYC EXで1JPYC=1円で払い戻せるため、為替を気にせずに使えます。
そして、購入のしやすさにも大きな違いがあります。
USDCは、2025年3月にSBI VCトレードが国内初の電子決済手段等取引業者として登録を受け、日本円での取扱いを開始したため、国内でも購入できるようになりました。
しかし、USDTは、2026年7月時点では国内での取扱いがなく、国内の取引所では日本円で直接買うことができません。
JPYCは、公式のJPYC EXに日本円を入金して発行(購入)する形になります。
こうした違いを踏まえると、海外との取引や米ドル建てのやり取りでは、USDT・USDCが主役ですが、日本円のまま送金や支払いに使うならJPYCです。
また、USDTが国内では買えない点も、あわせて覚えておきましょう。
JPYSCとの違い
JPYCとJPYSCの一番の違いは、自分のウォレットで自由に動かせるか・誰が裏付け資産である日本円を預かるかです。
どちらも、日本円に連動するステーブルコインですが、JPYCは個人が自分のウォレットで使えるのに対し、JPYSCはSBI VCトレードの口座内でしか使えません。
JPYCとJPYSCの主な違いは、以下の表にまとめています。
| 項目 | JPYC | JPYSC |
|---|---|---|
| 発行体 | JPYC株式会社(資金移動業者) | SBI新生信託銀行(SBIグループ) |
| 法的な区分 | 電子決済手段(1号/資金移動業型) | 電子決済手段(3号/信託型) |
| 裏付け資産の管理者 | 発行会社自身が保全 | 信託銀行が管理 |
| 1回の発行上限 | 100万円まで | 100万円の制限を受けない |
| 外部ウォレットへの移転 | 可能 | 不可 |
| 主な想定用途 | 個人を含む日常の送金・支払い | 企業・機関の大口取引や国際決済 |
※2026年7月時点での情報です。
現時点でJPYCとJPYSCの最も大きな違いは、自分のウォレットで資産を動かせるかどうかです。
JPYCは、外部ウォレットへの移転が可能です。
しかし、JPYSCは先行提供の段階で、SBI VCトレードの口座内でのみ利用でき、自分の外部ウォレットに出す(出庫する)ことができません。
パブリックチェーンでの流通に向けた準備は進んでいるとされているため、今後この状況は変わる可能性がありますが、2026年7月時点では、JPYCのように自由に送金したり、DeFi(ブロックチェーン上の金融サービス)で使ったりすることはできません。
次に、法的な区分と発行体の違いを解説します。
JPYCは、資金移動業者が発行する「1号電子決済手段」にあたります。
一方のJPYSCは、SBIグループのSBI新生信託銀行が発行する信託型のステーブルコインで、2026年6月24日に発行が始まりました。
JPYSCは法律上「3号電子決済手段」と呼ばれ、信託銀行が裏付け資産を管理する信託型としては国内初です。
資金移動業型と信託型の違いを、簡単にいうと、裏付け資産の管理者が誰にあたるかです。
JPYCは発行会社であるJPYC株式会社自身が、法律にもとづいて保全し、JPYSCは信託銀行が裏付け資産を預かって管理します。
また、使い勝手にも違いがあり、JPYCは、1回100万円といった上限がある一方で、個人を含む幅広い人の送金や支払いに対応しています。
その点、JPYSCは大口の企業取引や国際的な決済での利用を想定しているため、JPYCのような1回100万円といった上限を受けません。
つまり、個人でも自分のウォレットで使える資金移動業型がJPYC、企業の大口取引を想定した信託型がJPYSCです。
個人が日常の送金や支払いに使うなら、JPYCを選びましょう。
なお、2026年7月21日にサービスの提供が始まったマイナウォレットは、今後JPYCなど日本円と連動したステーブルコインでの決済を行う取り組みを行っています。
マイナウォレットは、従来の暗号資産ウォレットとは違い、マイナンバーカードによる本人確認を行うことで安全性が高いです。
以下の記事では、そんなマイナウォレットの仕組みや将来性について解説しています。
マイナウォレットとは?その仕組み・将来性・使い方について初心者向けに徹底解説
銀行が発行するステーブルコインとの違い
JPYCと銀行が発行するステーブルコインの一番の違いは、以下の2点です。
- 誰が裏付けの日本円を預かるか
- 今すぐ利用できるか
JPYCはすでに個人が使えますが、銀行系ステーブルコインはまだ実際の取引が始まっていません。
まずは、JPYCと銀行系ステーブルコインの違いを、以下の表にまとめています。
| 項目 | JPYC | 銀行系ステーブルコイン |
|---|---|---|
| 発行体 | JPYC株式会社 | 三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行が共同委託者(受託者は信託銀行など) |
| 裏付け資産 | 発行会社が保全 | 信託により倒産隔離 |
| 利用開始 | 2025年10月から利用可能 | 2026年度中の実取引開始を目指す段階 |
| 主な想定用途 | 個人を含む日常の送金・支払い | 企業間の大口決済 |
JPYCは、発行会社であるJPYC株式会社自身が、法律にもとづいて裏付け資産を保全する仕組みです。
これに対し銀行系ステーブルコインは、信託銀行が裏付け資産を預かって管理します。
信託には「倒産隔離」という仕組みがあり、発行体が倒産しても裏付け資産が影響を受けにくいように守られるとされています。
倒産隔離とは、信託した財産を、預けた側の会社の財産から法律上切り離す仕組みです。
信託銀行に預けた資産は、信託銀行自身の財産ではなく、預けた会社の財産にもならず、独立した信託財産として扱われます。
また、JPYCは、2025年10月からすでに個人が利用できます。
それに対し、銀行系ステーブルコインは、2026年6月10日に三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行の3行が、2026年度中の実際の取引開始を目指して、共同で取り組むと発表した段階です。
発行の条件や対象となる通貨、利用できる企業、取引の詳しい仕組みも、現時点でまだ公表されていません。
なお、信託系の動きは銀行系ステーブルコインだけではありません。
例えば、一般社団法人日本ブロックチェーン基盤では、日本円に連動するEJPYを2026年度内に始める予定だと発表しています。
以上のように、銀行系ステーブルコインは信託の倒産隔離で裏付け資産が守られる仕組みを採用するようです。
ただし、企業向けのステーブルコインであり、使えるようになるのはまだまだこれからです。
JPYCのメリットを4つのポイントに分けて解説

JPYCのメリットは、日本円と1対1で連動するステーブルコインならではの、以下の4つに整理できます。
- 1JPYC=1円で価格が安定し日本円に戻せる
- 送金手数料が安く24時間365日ほぼ即時で送れる
- 資金移動業者として登録された事業者が発行している
- 法人のBtoB決済・給与支払い・立替の精算などにも使える
上記のメリットに共通しているのは、値動きに左右されず、日本円に近い感覚で送金や支払いに使えるという点です。
それぞれ詳しく見ていきます。
価格変動が少なく1JPYC=1円で日本円に交換できる
JPYCの一番わかりやすいメリットは、価格が1円付近で安定しやすく、日本円を利用するような感覚で扱えることです。
JPYCが日本円に連動するように作られていることから当然の帰結です。
もっとも、ビットコイン(BTC)のように、価格が大きく上下することは基本的に想定されていませんが、交換所(DEX)など公式以外の場では、需給によって1円から多少ずれることもあります。
価格が安定していると、以下のような場面で役に立ちます。

そして、手元のJPYCは、公式サービスのJPYC EXを通じて日本円に戻せます(払い戻しには手続きが必要)。
1JPYC=1円で戻せるため、必要になったタイミングで日本円に換えられます。
このように、JPYCは価格が安定していることで、金額をそのまま扱える点が大きなメリットです。
日本円と交換する場合、公式のJPYC EXを使うのが基本です。
送金手数料が安く24時間365日ほぼ即時で送金できる
JPYCは、送金の手数料が安く、土日や夜間でも数秒から数分で送れます。
JPYCは、銀行振込のように、平日の日中まで待つ・手数料が多く発生するといった制約が小さいのがメリットです。

例えば、銀行振込の場合は、他の銀行に振り込む場合、数百円の手数料がかかり、タイミングによっては着金が翌営業日になることもあります。
一方JPYCは、手数料の安いポリゴン(POL)なら数円程度で送れ、送金時間も数秒から数分で相手に届きます。
24時間365日、休日でも夜中でも動くので、思い立ったときにすぐ送れます。
ただし、注意点として、JPYC自体の送金手数料はかかりませんが、ブロックチェーンを使うときのガス代は必要です。
ガス代はイーサリアム(ETH)やポリゴン(POL)といった、そのチェーンの暗号資産で支払います。
つまり、JPYCを送るには、少額でもガス代用の暗号資産を別で用意しておく必要があるということです。
ガス代用の暗号資産さえ用意しておけば、手数料の安いチェーンを選ぶことで、少額の送金でもコストを抑えられます。
なお、実際にかかるガス代は送金前にウォレットの画面に表示されているので、確認してから送れます。
資金移動業者として登録された事業者が発行している
JPYCは、資金移動業者として登録されたJPYC株式会社が発行しています。
これがメリットになるのは、登録を受けた発行会社が、法律上いくつかの義務を負うからです。
資金移動業者として登録を受けた発行会社には、主に以下のような義務があります。
- 発行した残高と同額以上の資産を保全すること(利用者の資産を守るため)
- 財務局の監督のもとに置かれ定期的な報告を行うこと
- 利用者の本人確認を行うこと
つまりJPYCは、発行会社が勝手に運営できるものではなく、法律にもとづくルールと国の監督の中で発行されています。
一方で、こうした登録を受けずに、日本円と連動していると称するだけの偽トークンも存在します。
そのトークンが登録された事業者によって発行されているかは、偽トークンかどうかを見分けるうえでの判断材料になります。
JPYCは、誰が、どのようなルールで発行しているかを確認できるのが特徴です。
法人のBtoB決済・給与支払い・立替精算などに利用できる
JPYCは、企業間の支払いや立替精算といった法人の業務でも使われ始めています。
すでに具体的な導入の動きが出ており、給与支払いのような分野も将来の使い道として検討されています。
法人にとってのJPYCの利点は、個人向けの安い・速いに加えて、業務ならではの場面で表れます。
JPYCはブロックチェーン上でやり取りされ、そのネットワークは土日も夜間も止まりません。
締め日や銀行の営業日に縛られないため、月末が土日でもその日のうちに支払いを済ませられます。
また、送金の記録がブロックチェーン上に残るため、あとから取引を確認しやすいのも法人向けの利点です。
実際に、物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスが協力会社約2,300社への支払いに導入すると発表したほか、ローソンでは店頭レジでの実証実験も始まっています。
具体的な事例は、後半の「法人での使い方」で詳しく紹介します。
JPYCの法人での使い方|企業間決済・給与・物流などの導入事例はこちら
一方で、給与支払いについては慎重に見ていく必要があります。
なぜなら、日本では、賃金は原則として通貨で支払うことが労働基準法で定められており、デジタルでの給与払いは、厚生労働大臣の指定を受けた一部の資金移動業者のみに認められているからです。
JPYCで直接給与を支払うことには、制度上のハードルがあるのが現状です。
以上のように、JPYCは、企業間の支払いや立替金の精算等の用途では、すでに導入が始まっています。
給与支払いのように、制度の整理を待つ分野もありますが、法人の業務でJPYCが使われる場面は広がりつつあります。
JPYCはどこで買える?事前準備から購入方法までの流れを解説

JPYCは、国内の暗号資産取引所では買えません。
購入する基本的な方法は、公式サービスJPYC EXで日本円を入金し、その分のJPYCを発行してもらうことです。
具体的な手順は、以下の3ステップです。
他にも、交換所(DEX)で他の暗号資産と交換して手に入れる方法もありますが、偽トークンの見分けが必要になるため、初めての方はJPYC EXをおすすめします。
口座開設には本人確認が必要のため、すぐに手に入るわけではありません。
そのため、口座開設から始める方は時間に余裕をもって進めてください。
STEP1:JPYC EXで口座開設する(本人確認の流れ)
最初のステップは、公式サービスJPYC EXで口座を開設することです。
ここで必ず必要になるのが、マイナンバーカードです。
運転免許証やパスポートでは手続きできないため、持っていない方は取得から始める必要があります。
口座開設では、アカウント登録と本人確認に加え、JPYCを受け取るウォレットの登録と、日本円を受け取る出金口座の登録まで済ませます。
ここまで終えて、次のステップである入金・発行に進めます。
具体的な流れは、以下の通りです。
- ①メールアドレスなどでアカウントを登録する
- ②本人確認を行う
- ③JPYCを受け取る自分のウォレットのアドレスを登録する
- ④日本円を受け取る銀行口座(出金口座)を登録する
本人確認の方法は、マイナンバーカードを使った公的個人認証(JPKI)だけです。
手続きには、LIQUID eKYCという専用のアプリを使い、スマートフォンでマイナンバーカードのICチップを読み取ります。
公的個人認証(JPKI)には、ICチップの読み取りに対応した端末が必要なので、事前に確認しておきましょう。
ここまで終われば、口座開設は完了です。
STEP2:日本円を入金する
次のステップは、JPYCを発行するための日本円を入金します。
JPYC EXでは、先にサービス上で発行予約を行い、そのうえで指定された口座へ銀行振込をします。
予約をせずに振り込んでも発行されないため、必ず発行予約から始めてください。
具体的には、次の順で進めます。
- ①JPYC EX上で発行する金額やチェーンなどを指定して発行予約をする
- ②表示された指定口座にその金額を銀行振込で入金する
この時に注意したいのが、振込名義です。
振込人の名義(カナ)が、JPYC EXに登録した情報と一致していないと、入金が確認されず処理が止まってしまうことがあります。
振込の場合、名義が自動で入らないこともあるので、登録した名義と同じになっているか、振り込む前に必ず確認しましょう。
なお、JPYC自体の発行や払い戻しの手数料は無料です。
JPYCは、発行できるのは最低3,000円~、上限は1回100万円までなので、覚えておきましょう。
STEP3:JPYCを発行(購入)する
前のステップで発行予約と入金を済ませたら、JPYC EXが入金を確認し、予約したチェーン上でJPYCが発行され、自身のウォレットに届きます。
初めてJPYCを購入した方のつまずきやすいポイントとして、JPYCが届いているはずなのに、ウォレットの残高が0円のように見えることがあげられます。
これは、多くのウォレットが、初めて扱うトークンを自動では表示しない仕組みになっているためです。
この場合は、ウォレットにトークンを追加する操作が必要です。
JPYCの正しいコントラクトアドレスを登録すると残高が表示されるようになります。
それでも表示されない時は、次の3点を確認しましょう。
- 発行予約した金額と実際に振り込んだ金額が一致しているか
- 振込名義が登録情報と一致しているか
- 受け取ったチェーンと登録したウォレットのアドレスが合っているか
ウォレット内の残高が正しく表示されれば、JPYCの発行は完了です。
DEX(Uniswapなど)で他の暗号資産と交換して入手する方法
JPYCは、紹介した方法以外にも、交換所(DEX)で他の暗号資産と交換して手に入れることができます。
ただし、交換所(DEX)には、JPYCを名乗る偽のトークンが出回っているため、初めて購入する方はJPYC EXをおすすめします。
交換所(DEX)とは、会社が管理する取引所ではなく、ブロックチェーン上のプログラムによって自動でコイン同士を交換できる仕組みのことです。
代表的なものにUniswap(ユニスワップ)があります。
交換所(DEX)が向いているのは、すでにイーサリアム(ETH)やUSDTなどの暗号資産を持っていて、それを日本円に戻さずにそのままJPYCへ移したい人です。
JPYC EXのような口座開設や本人確認をせずに交換できる、という手軽さがあります。
しかし、交換所(DEX)には大きな落とし穴があります。
それが偽トークンで、交換所(DEX)は審査がなく、誰でも自由にトークンを並べられるため、JPYCを名乗った偽物のトークンが複数並んでいることがあります。

これをうっかり買ってしまうと、日本円には戻せず、保有していても価値はありません。
公式のFAQでも、偽トークンは日本円に払い戻せないと案内されており、P2P(個人どうしの取引)や交換所(DEX)での取引が、最も事故が起きやすい場面だとされています。
対策としては、JPYCと交換する前に、公式サイトで案内されているコントラクトアドレスと一致しているかを確認することです。
このほか、交換所(DEX)には旧JPYC(JPYC Prepaid)が並んでいることもあります。
これも今のJPYCとは別物で、日本円には戻せません。
交換所(DEX)で変換する場合、名前が同じJPYCでも、現在の電子決済手段としてのJPYCとは限らないので注意しましょう。
JPYCはどこで使える?実際の利用シーンを紹介

JPYCの使い道は、大きく分けて3つあります。
個人間での送金、お店やサービスでの支払い、そして企業間の決済です。
実際の店舗での利用も動き始めており、ローソンはKDDI・HashPortと共同で、2026年8月上旬から東京都内の店舗でJPYC決済の実証実験を開始すると発表しました。
コンビニのレジと直接つなぐ試みは、国内初とされています。
しかし、現時点では対応しているお店やサービスは限られます。
ここでは、JPYCが実際に使える場所の一覧と、個人・法人それぞれの使い方を見ていきます。
JPYCが使えるお店・サービス一覧【2026年最新】
JPYCが使える場所は、大きく以下の3つに分けられます。
- ECサイト
- 実店舗
- カード経由
具体的な違いは、以下の表でまとめています。
| 使い方 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ECサイト | JPYCで買い物ができるオンライン専用プラットフォーム | ガス代がかからない仕組みで、初心者でも使いやすい |
| 実店舗 | 飲食店やサロンなど、JPYCで直接支払えるお店 | 対応店舗を地図で探せるサイトがある |
| カード経由 | ナッジカードなどのクレジットカード | 買い物はVISAで行い、その返済をJPYCで支払う仕組み |
この中で最も使いやすいのが、ECサイトです。
JPYCで商品を購入できるオンラインの専用プラットフォームがあり、ここではガス代がかからない(ガスレス)仕組みになっているため、送金時の手数料を気にせず買い物ができます。
次に使いやすいのが実店舗です。
飲食店やサロン、整骨院など、JPYCを使ってその場で直接支払えるお店が少しずつ増えています。
しかし、JPYCが使える実店舗は、全国的に見ればまだ数十店舗程度で、日常的に使える段階ではありません。
また、JPYC対応店舗は閉店や臨時休業などで入れ替わりがあるため、JPYCの対応店舗をまとめた地図サイトなどで最新情報を確認しましょう。
最後に、カード経由です。
JPYCでの精算に対応したクレジットカードを使う方法で、買い物は普段通りVISA加盟店でクレジットカードとして利用し、あとからその利用分をJPYCで支払う仕組みです。
店頭でJPYCが直接使われるわけではありませんが、VISAが使えるお店であれば、実質的にJPYCを支払いに回せることになります。
このように、JPYCの対応先は変わっていくため、最新の状況はECプラットフォームや店舗マップ、カードの公式サイトで確認するのが確実です。
JPYCの個人での使い方|送金・寄付・カード決済・実店舗決済
個人がJPYCを使う場面で、最も基本になるのが送金です。
相手のウォレットアドレスさえ分かれば、いつでも数分で送金できます。
JPYCを送金するときは、以下の3つが必要になります。
- 相手のウォレットアドレス
- 相手と同じチェーンを使うこと
- ガス代用の暗号資産(少量・ETHやPOLなど)
特に、送り先の確認は非常に重要で、アドレスやチェーンを間違えて送ると原則として、送金したJPYCを取り戻すことはできません。
対処法は、アドレスは手入力せず、コピーして貼り付けることです。
貼り付けたあとは、先頭と末尾の数文字だけでなく、すべての文字列が合っているか目視で確認しましょう。
初めて送る相手には、まず少額でテスト送金しておくと安心です。
こうした送金の仕組みは、寄付にも応用できます。
JPYCは少額でも手数料を抑えて送れるため、寄付との相性がよいとされています。
実際に、長野県駒ヶ根市の子ども食堂「cơm(コム)かふぇ」が、2026年6月からJPYCでの寄付の受け取りを始めました。
子ども食堂での導入は日本初の事例とされています。
参照メディア:つなぐ♡HUB | ご寄付の受付
対応する団体は少しずつ増えているので、寄付を考えている場合は、その団体の公式サイトでJPYCが使えるかを確認してみるとよいでしょう。
このように、個人にとってのJPYCは、まず送金が中心ですが、そこから寄付やお店での支払いへと使い道が広がってきています。
はじめてJPYCを使う場合は、まずは身近な相手へ少額の送金から試してみると、イメージがつかみやすいでしょう。
JPYCの法人での使い方|企業間決済・物流などの導入事例
JPYCの法人利用は、大手企業による実際の導入や実証が始まっている段階です。
ここでは、代表的な事例を分野ごとに見ていきます。
| 分野 | 企業 | 詳細 |
|---|---|---|
| 企業間の支払い | AZ-COM丸和ホールディングス | 物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスが、2026年7月、個人のトラック運転手を含む協力会社約2,300社への委託費の支払いにJPYCを導入すると発表しました。 約2,300社規模の法人利用は国内初とされています。 |
| 店舗での決済 | ローソン | ローソンがKDDI・HashPortと共同で、2026年8月上旬から東京都内の店舗でJPYC決済の実証実験を始めると発表しました。 コンビニのレジと直接つなぐ試みは国内初とされています。 |
参照メディア:JPYC株式会社|物流業界大手AZ-COM丸和ホールディングス株式会社と資本業務提携
参照メディア:ローソン公式サイト|国内初、POSレジでのステーブルコインによる店頭決済の実証実験を実施
まず、企業間の支払いで注目されているのが、物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスです。
AZ-COM丸和ホールディングスは、2026年7月、個人のトラック運転手を含む協力会社およそ2,300社への委託費の支払いに、JPYCを導入すると発表しました。
約2,300社規模での法人利用は国内初とされています。
AZ-COM丸和ホールディングスの狙いは、支払い回数を増やすことにあり、すぐに日本円へ戻せることや振込手数料を抑えられることを活かして、資金繰りに課題を抱えやすい小規模事業者を支援する意図とされています。
また、店舗決済でのJPYCを活用する動きがあり、ローソンは、KDDI・HashPortと共同で、2026年8月上旬から東京都内の店舗でJPYC決済の実証実験を始めると発表しています。
コンビニのレジと直接つないでJPYCで支払う試みは、日本初です。
こうした企業間の支払いや決済の導入を後押しする、裏方のサービスも育っています。
システム開発のTISは、JPYC株式会社との間で、JPYCを組み込んだステーブルコイン決済支援サービスの提供に向けて基本合意し、2026年内の正式提供を目指しています。
また、アステリアは、企業の基幹システムや財務会計システムとJPYCをノーコード(プログラムを書かずにつなぐこと)で連携できる、JPYCアダプターを開発すると発表しています。
企業が一からシステムを作らなくても、JPYC決済を取り入れやすくするための仕組みが整いつつあります。
JPYCの法人利用に関しては、まだ実証段階のものも多いため、各社の発表や公式リリースで最新の状況を確認するとよいでしょう。
JPYCを日本円に戻す方法|換金の手順と注意点

手元にあるJPYCは、公式サービスJPYC EXを通じて1JPYC=1円で日本円に戻せます。
ただし、いくつか条件や注意点があるため、実際の手順やつまづきやすい点などを確認しておくことが重要です。
ここでは、JPYCを日本円に戻す手順や、払い戻しにかかる手数料などについて解説していきます。
JPYC EXで日本円に払い戻す手順
JPYCを日本円に戻すときは、発行と同じ手順で払い戻しの手続きを行います。
具体的な手順は、以下の通りです。
- ①JPYC EXにログイン
- ②払い戻したい金額と受け取る銀行口座(出金口座)を指定し償還予約をする
- ③自分のウォレットから指定されたアドレスにJPYCを送る
- ④確認後、指定された銀行口座に日本円が振り込まれる
手続きにあたっての注意点は、以下3点です。
- 払い戻しの予約せずにJPYCを送らない
- 送り元のアドレス
- 最低額
まず、払い戻しの予約せずにJPYCを送ってしまうと、手続きを受け付けてもらえない可能性があるので、必ず予約から始めてください。
次に、送り元のウォレットについてです。
払い戻しに使えるのは、JPYC EXに登録したアドレスから送ったJPYCだけです。
そのため、JPYC EXに登録していないアドレスや、他の人に紐づくアドレスから送ったJPYCは払い戻しの対象外になります。
例えば、交換所(DEX)で買って別のウォレットに入れている場合、そのままでは換金できません。
JPYC EXに登録済みのアドレスへ移してから手続きするか、そのアドレスを登録できるかを事前に確認してください。
最後に、払い戻しできるJPYCの最低額は、3,000JPYCです。
3,000JPYCより少ない金額の場合、払い戻しができないので注意しましょう。
JPYCを払い戻す際は、事前に予約をしているか・送り元のアドレスは登録済みか・金額が3,000JPYC以上かを確認しておくと、スムーズに手続きが行えます。
払い戻しにかかる手数料と着金までの時間
JPYCを日本円に戻すとき、JPYC EXでの発行・払い戻しの手数料は無料です。
しかし、JPYC側が無料でも、それ以外に費用がかかる可能性があります。
払い戻しの際に、自己負担になり得るのは以下の2点です。
- ガス代……手元のJPYCを指定のアドレスへ送る際にかかるブロックチェーンの手数料
- 銀行側の手数料……日本円を受け取る際の手数料
また、着金までの時間は、JPYCを送る処理と銀行振込の処理の2段階で決まります。
JPYCを送る部分は、チェーンの状況によって比較的短い時間で進むことが多い一方、銀行振込の部分は銀行の処理時間に左右されます。
特に銀行側は営業時間の影響を受けるため、夜間や土日祝に手続きした場合は、着金が翌営業日以降になる可能性があるので注意しましょう。
急いでJPYCを日本円に戻したい場合、銀行の営業時間も見越して、余裕をもって手続きするとよいでしょう。
払い戻し時の上限と注意点
JPYCの払い戻しには、1回あたり100万円までの上限があります。
この上限は毎日24時にリセットされますが、当日中に100万円を超える額を戻したいときは、1日に複数回手続きする必要があります。
ただし、不正利用を防ぐための目的で、短時間に連続して払い戻しの申請を行うことは認められていません。
また、払い戻しには時間がかかる場合もあります。
マネーロンダリングを防ぐためのチェックが入ると、処理が翌営業日以降まで延びることがあるためです。
なお、上限や手数料の条件は見直されることがあるため、実際に手続きをする前に、JPYC EXの公式サイトを確認しておきましょう。
JPYCのデメリットやリスク|事前に知っておきたい5つの注意点

JPYCは価格が安定している一方で、注意すべき点もあります。
JPYCを買う前に知っておきたい注意点は、以下の5つです。
- 発行会社が破綻した場合は1円で戻せなくなる可能性がある
- 1回100万円までの上限があり本人確認も必要になる
- 取引量が少なく交換所では不利なレートになることがある
- 直接支払えるお店やサービスは限られている
- 送金先を間違えると資産は取り戻せない
事前にデメリットやリスクを確認することで、JPYCを安心して使うことができます。
発行会社の信用リスク
JPYCの大きなリスクの一つが、発行会社であるJPYC株式会社の信用リスクです。
JPYCの1JPYC=1円は、JPYC社が裏付け資産をきちんと保全し続けることで成り立っているため、発行会社の経営に大きな問題が起きた場合には、価値の安定や日本円への払い戻しに影響が出る可能性があります。
このリスクは、裏付け資産を誰が管理しているかの違いから生まれます。
信託銀行が発行するタイプは、倒産隔離という仕組みで発行体が倒れても資産が守られますが、JPYCは発行会社自身が保全する仕組みです。
そのため、発行会社が破綻してしまった場合、全額がすぐに戻るような保証はありません。

まず、資金移動業者には、発行残高に見合う資産を保全する義務があります。
そのため、預けたJPYCが全て無くなってしまうという事態は想定しにくいです。
しかし、信託型のように資産が法的に隔離されているわけではないため、全額がそのまま戻る保証はありません。
ただし、このリスクは、JPYCの使い方次第で影響を小さくできます。
例えば、日常の送金や支払いなど、少額・短期での利用が中心であれば、信用リスクによる影響は限られます。
他方で、まとまった額を長期間JPYCのまま置いておく使い方には、一定のリスクがあるということになります。
JPYCは価格が安定していても発行会社の信用リスクは残ってしまうので、この点を踏まえた使い方を意識しましょう。
1回に発行できる金額に上限があり本人確認も必要
JPYCを発行するときは、1回あたり100万円という金額の上限と、マイナンバーカードによる本人確認という2点の制約があります。
上限額に関しては、JPYCの発行は1回あたり3,000円~100万円までです。
最低額を下回るまたは最高額を超える額を一度に発行することはできません。
例えば、300万円分を用意したい場合は、少なくとも3回に分けて手続きを行う必要があります。
しかも、短時間での連続した申請は認められていないため、間隔をあけて手続きすることになります。
その結果、大きな額をまとめて発行しようとすると、その日のうちに手続きが完了しないことがあるので、注意しましょう。
次に本人確認に関しては、JPYCの本人確認は、マイナンバーカードによる公的個人認証(JPKI)だけです。
運転免許証やパスポートでは代替できないだけでなく、米国に納税義務がある人はJPYC EXのアカウントを開設できないといわれています。
JPYCの発行には、上限や本人確認といった制約があるので、事前に理解した上で早めに手続きを済ませるようにしましょう。
取引量がまだ少なく、両替時に損をすることがある
JPYCは発行が始まってまだ日が浅く、交換所(DEX)など公式以外の場では取引量(流動性)が少なめです。
そのため、交換所(DEX)で交換すると、1JPYC=1円からずれて不利なレートになり、受け取る額が少なくなることがあります。

なぜ、取引量が少ないと不利になるのか、仕組みを見ていきましょう。
交換所(DEX)では、あらかじめ用意されたJPYCの中から交換される仕組みを採用しています。
用意されたJPYCの量が少ないところに大きな注文を出すと、レートが悪くなっていきます。
これをスリッページ(注文によって生じる価格のズレ)といい、金額が大きいほどスリッページも大きくなります。
さらに、交換所(DEX)での交換にはガス代もかかります。
特に少額のJPYCを交換する場合は、レートのズレよりもガス代の方が負担として大きくなることがあります。
受け取る額が少なくなるリスクを回避する方法として、いちばん確実なのは、日本円との交換に公式のJPYC EXを使うことです。
JPYC EXであれば、1JPYC=1円で発行・払い戻しができるので、レートを気にする必要がありません。
交換所(DEX)を使う場合は、一度に大きな額を交換せず少額に分けること、そして交換を実行する前に、画面に表示されるレートや、スリッページの許容値(どこまでのズレを認めるかの設定)を必ず確認することが大切です。
JPYCで直接支払えるお店・サービスはまだ限られている
現時点で、JPYCで直接支払えるお店やサービスは限られており、日常の買い物をJPYCだけで済ませることはできません。
実際に困る場面として、普段行くスーパーや多くのオンラインショップでは、JPYCでの支払いにまだ対応していません。
そのため、JPYCを持っていても、支払いのたびに、その店やサービスが対応しているかを確認する必要があります。
対応していなければ、結局はJPYCを日本円に戻してから使うことになり、その手間や、送るときのガス代などもかかります。
現時点でJPYCを使えるお店やサービスの探し方は、以下のリンク先で解説しています。
現時点でのJPYCの使い方は、送金や対応しているお店・サービスでの支払いに絞って使うのが現実的です。
送金先を間違えると取り戻せない
JPYCで最も気をつけたいのが、送金の失敗です。
紹介しているデメリットの中で唯一、資産を全額失うリスクがあります。
送り先を間違えたり、偽物のJPYCを買ってしまうと、原則として取り返しがつきません。
JPYCを取り戻せない理由は、主に2つあります。
1つ目は、ブロックチェーン上での送金は、一度実行すると取り消せない仕組みだからです。
銀行振込のように間違えたので戻してほしいと頼める管理者がいません。
2つ目は、JPYC EXがノンカストディ型(事業者が利用者の資産を預からない方式)だからです。
資産を動かす権限は利用者側にあるため、送金の操作も自分の責任で行うことになります。
そのため、送金先などを間違ってしまっても、運営会社が代わりに取り戻すことができません。
実際に送金時に起こりやすい失敗は、主に次の5つです。

特に、対応していないチェーンへ送金してしまった場合は、払い戻しの予約と結びつけられず、日本円が振り込まれないだけでなく、送ったJPYCも戻ってこない場合があると、JPYC EX公式サイトが案内しています。
発行や払い戻しを行う際は、送金先が合っているかを必ず確認しましょう。
JPYCに税金はかかる?確定申告が必要なケースを解説

JPYCに税金がかかるかどうかは、使い方によって異なります。
JPYCを保有しているだけなら、原則として税金はかかりません。
ここでは、JPYCの税金関係について、以下の項目を解説していきます。
- 保有しているだけなら税金はかからない
- JPYCで税金がかかるケース
- JPYCで確定申告が必要になる目安
保有しているだけなら税金はかからない
JPYCを個人がただ保有しているだけであれば、原則として税金はかかりません。
税金は基本的に利益が出たときにかかるもので、JPYCは1JPYC=1円に連動し、保有中に価値がほとんど変わらないためです。
そのため、自分の別のウォレットへJPYCを移すだけであれば、利益が生じるわけではないため、原則として課税の対象にはなりません。
一方で、課税の対象になり得るのは、他の暗号資産が絡む場面です。
例えば、値上がりしたイーサリアム(ETH)をJPYCに交換した場合、その時点でイーサリアム(ETH)にかかる利益が確定したことになり、値上がり分が利益とみなされる可能性があります。
JPYC自体で利益が出るというより、途中で使った暗号資産のほうで利益が出るのがポイントです。
つまり、JPYCを日本円で買って持っている限りは、課税を心配する場面はほとんどありません。
注意が必要になるのは、暗号資産をJPYCに換えたり、JPYCを暗号資産に換えたりしたときです。
しかし、法人がJPYCを持つ場合は、個人と扱いが変わります。
なぜなら、法人の場合はJPYCを保有しているだけでも、資産として帳簿に記録する必要があるためです。
JPYCを買った時点で、いくら分の資産を持っているかを記録しなければならず、決算のときも評価が必要となります。
もっとも、JPYCの場合は、価格の変動がないため、購入時の金額のまま扱えば特段問題はありません。
JPYCを事業で使う予定があるなら、税理士に相談しましょう。
JPYCで税金がかかるケース
JPYCで税金がかかるのは、利益が出た場合のみです。
実際に課税が問題になるのは、JPYC自体ではなく、JPYCと他の暗号資産を交換したときがほとんどです。
JPYCが1円に連動していても、交換に使った暗号資産のほうで利益が出るためです。
課税が問題になりやすい順に、3つのケースを見ていきます。

特に注意したいのが、暗号資産を売却・交換してJPYCを手に入れたときです。
JPYC自体は1円のままでも、交換に使ったイーサリアム(ETH)が値上がりしていれば、その分が利益とみなされます。
例えば、20万円で買ったイーサリアム(ETH)が30万円に値上がりしたタイミングでJPYCに交換したとします。
この場合、差額の10万円が利益として確定し、課税の対象になり得ます。
手元にあるのはJPYCだけなので実感しにくいのですが、税務上はETHを売ったのと同じ扱いです。
このほか、JPYCをDeFiで運用して報酬を得たような場合も、その利益に応じて課税されることがあります。
なお、この利益をどう申告するかについては、電子決済手段ならではの考え方があります。
暗号資産の取引で生じた損益は、原則として雑所得に区分されると国税庁が示しています。
JPYCのような電子決済手段についても、本来の価値(1JPYC=1円)とのズレで生じた差額は譲渡益として扱われ、雑所得に計上する義務があるとされています。
つまり「1JPYC=1円だから計算は不要」という理解は誤りです。
0.99円で手に入れたJPYCを1円分として支払いに使えば、1JPYCあたり0.01円の利益が生じています。
1回あたりの利益が小さくても、月に何度も繰り返せば、年間では数万円規模になります。
しかも、取引のたびに取得時の価格と利用時の価格を記録しておかないと、あとから利益額を計算できません。
1回ごとの利益が小さいために見落とされやすく、取引量が多い人ほど、申告漏れとして指摘されるリスクが高まります。
実際に確定申告を行う場合は、事前に国税庁のFAQを確認するか、税理士に相談してください。
JPYCで確定申告が必要になる目安
JPYCの取引で利益が出た場合、その金額によっては確定申告が必要になります。
会社員(給与を1か所から受けている人)の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になるのが一般的です。
ここで大切なのは、年間20万円は、収入ではなく所得だという点です。
所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。
JPYC関連でいえば、交換や送金にかかったガス代などを引いたあとの、実際の利益で判定します。
また、年間20万円を超えるかどうかは、JPYCの利益だけで見るのではなく、給与以外の所得をすべて合計して判定します。
例えば、副業の所得がある人は、その所得とJPYCの利益を合わせて、年間20万円を超えるかどうかをみることになります。
ただし、年間20万円以下でも、何もしなくてよいわけではありません。
年間20万円という基準があるのは、所得税だけです。
住民税にこの決まりはなく、利益が1円でもあれば確定申告の対象になります。
つまり、利益が15万円だった場合、税務署への確定申告は不要でも、市区町村への住民税の申告は必要です。
ここまでは、会社員を前提にした目安です。
扶養に入っている人、個人事業主、年金を受給している人などは、判定の基準や必要な手続きが異なります。
判断に迷うときは、国税庁の情報を確認するか、税理士や自治体の窓口に相談してください。
JPYCの将来性は?これからの見通しをわかりやすく解説

先に結論をお伝えすると、JPYCは値上がりを狙うコインではありません。
なぜなら、1JPYC=1円で設計されているため、ビットコイン(BTC)のような価格上昇は起こらない仕組みを採用しているためです。
JPYCの将来性を判断するときは、価格ではなく使える場所が増えるかどうかを確認しましょう。
ここでは、JPYCの将来性について以下の項目を中心に解説していきます。
JPYCは値上がりするのか
結論から言うと、JPYCは値上がりを狙うコインではありません。
1JPYC=1円に連動するよう設計されているため、価格は基本的に一定に保たれ、ビットコイン(BTC)のように何倍にもなる値動きはありません。
例えば、100万円分のJPYCを持っていても、それが将来的に120万円になる、ということはありません。
JPYCは、日本円と同じ価値を保つことが目的なので、保有しているだけで増えるものではないのです。
とはいえ、JPYCで利益を得る手段がまったくないわけではありません。
JPYCは、価格の上昇による利益は見込めませんが、JPYCを預けて運用するDeFi(ブロックチェーン上の金融サービス)のような選択肢はあります。
しかし、DeFiには以下のようなリスクがあります。
- プログラムの欠陥
- ハッキング被害
- インパーマネントロス
- 自己管理の限界
仕組みを十分に理解していない状態で利用するのは危険なので、本記事ではおすすめしません。
JPYCを持つ意味は、送金や支払いの手段として使えることです。
JPYCの価値は、価格上昇ではなく、むしろ価格が変わらないことにあります。
日本円に近い感覚で使える安定感こそが、JPYCの役割です。
以上のことからも、JPYCは日々の決済や送金に使うデジタル資産といえます。
実店舗への決済拡大が期待される
実店舗でのJPYC決済は、今後拡大していくと予想できます。
その大きな一歩が、コンビニ大手ローソンのJPYCを使った実証実験です。
ローソンは、KDDI・HashPortと共同で、2026年8月6日に、ローソン高輪ゲートウェイシティ店にて、JPYC決済の実証実験を始めると発表しています。
コンビニのレジ(POS)と直接つないでJPYCで支払う試みは、日本初とされています。
全国のどこでも使えるようになるにはまだ時間がかかりますが、身近なコンビニで検証が始まることは、実店舗への広がりを占う上で大きな意味を持ちます。
一般に、店舗がステーブルコイン決済に関心を持つ理由として挙げられるのが、コストと入金スピードです。
クレジットカード決済では、店舗は売上のうち数%の手数料を負担し、入金も数十日後になるのが現状です。
一方、JPYC決済なら、店舗が負担するのはブロックチェーンのガス代程度で済み、入金もほぼ即時です。
つまり、店舗にとっては、支払いのたびに引かれる手数料が減り、売上金も早く手元に入るためJPYC決済に関心を持っています。
さらに、店舗側がJPYC決済を導入しやすくなる環境も整いつつあります。
記事の前半で触れた、TISやアステリアのように、店舗が一からシステムを作らなくてもJPYC決済を取り入れられる支援サービスが登場しており、導入のハードルは確実に下がってきています。
しかし、現時点では、対応店舗は非常に少なく、ローソンの取り組みもまだ実証実験の段階です。
店舗側のJPYC決済導入の動きが積み重なれば、JPYCを店頭で使える場面は、将来的に増えていくとみられます。
大手企業との連携が進んでいる
JPYCの将来性を測る上で参考になるのが、どんな企業がJPYCに出資しているかです。
JPYC株式会社は、2026年5月、シリーズB(事業を伸ばす段階の資金調達)として、累計およそ50億円の追加資金調達を完了したと発表しました。
参照メディア:JPYC株式会社|日本円ステーブルコイン「JPYC」、シリーズB累計約50億円調達
出資した企業は、暗号資産取引所を運営するビットフライヤーホールディングスや、上場企業のメタプラネットのほか、明治安田生命の関連ファンド、北洋銀行・横浜キャピタル・いよぎんホールディングス・阿波銀キャピタル株式会社といった銀行系のファンドなどが参加しています。
銀行や保険といった、生活に近い分野の企業が資金を出しているということは、JPYCが決済のインフラとして見込まれていることの表れだと考えられます。
なかでも象徴的なのが、上場企業アステリアとの資本業務提携です。
2026年1月、両社はお互いの株式を持ち合う関係を結びました。
アステリアはJPYC株式会社の株式の約3.7%・JPYC株式会社はアステリアの株式の約2.8%を保有しています。
一方が他方に出資するのではなく、双方で資本を入れている点が特徴です。
この提携は資金調達を目的としたものではなく、中長期的な関係強化を狙ったものとされています。
こうした出資が集まる背景には、JPYCの利用が伸びていることがあります。
JPYC株式会社の発表によれば、JPYCの発行開始から約7か月で口座開設数は1万8,000件、累計発行額は2026年5月18日時点で25億円を突破し、総取引高は350億円を超えました。
出資は、導入事例とは意味が異なります。
JPYCを決済に使うだけなら関係は一時的ですが、資本を投じるということは、その企業がJPYCの将来に賭けている、と判断できます。
しかし、多くの企業から出資があるからといって、JPYCの成功が保証されているわけではありません。
そのため、JPYCの導入事例だけでなく、JPYC株式会社の今後の動きもあわせて見ておくとよいでしょう。
メガバンク参入でJPYCはどうなる?
三菱UFJ・みずほ・三井住友の3行も、日本円に連動するステーブルコインの発行を準備しています。
メガバンクが参入するなかで、JPYCはどうなるのでしょうか。
結論から言うと、個人が自分のウォレットで自由に使えるステーブルコインとしては、JPYCが先行し続ける可能性が高いといえます。
その理由は、銀行系ステーブルコインとJPYCでは、想定している利用者が異なるためです。
メガバンク3行が準備しているような銀行系ステーブルコインは、主に企業間の大口決済に向けたものです。
また、同じ日本円に連動したステーブルコインでも、信託型のJPYSCは先行提供の段階では自分のウォレットに出庫することができませんでした。
つまり、個人が自分のウォレットから自由に送金や決済を行う用途では、現時点でJPYCに強みがあります。
また、JPYCがすでに動いている点も見逃せません。
銀行系ステーブルコインがこれから実取引を始める段階なのに対し、JPYCは2025年10月の発行開始以来、すでに送金や決済に使われ、利用実績を積み重ねています。
以上のことから、銀行系ステーブルコインは企業向けの大口決済、JPYCは個人が自由に使える決済というように、それぞれの得意分野で使い分けられていく可能性が高いといえます。
JPYCに関するよくある質問と回答

ここでは、JPYCに関するよくある質問と回答をまとめています。
JPYCは儲かるか・買える最低金額などをまとめているので、参考にしてみてください。
Q.JPYCの何がすごいの?
A.日本円と同じ価値のまま、24時間いつでも安く送金できることです。
必要なときは1JPYC=1円で日本円に戻せるため、値動きを気にせず、日本円に近い感覚で送金や支払いに使えます。
これは、日本円の裏付けが法律にもとづいて守られ、公式のJPYC EXで日本円と交換できる仕組みがあるためです。
また、資金移動業者として登録されたJPYC会社が、発行する国内初の日本円ステーブルコインでもあります。
以前の円連動トークンは、日本円への払い戻しが原則できませんでしたが、JPYCは日本円に払い戻しが可能です。
Q.旧JPYC(JPYC Prepaid)を持っていますが、どうなりますか?
A.これまでどおりに使えますが、日本円には戻せません。
旧JPYCは2025年6月1日に新規発行が終了しています。
すでにお持ちの分は、前払式支払手段として、JPYC appsでのギフト券購入などの支払いや、残高の譲渡に引き続き使えます。
ただし、日本円への払い戻しは現時点では予定されていません。
Q.JPYCは儲かりますか?
A.儲かりません。
なぜなら、JPYCは値上がりを狙うコインではないためです。
JPYCは、1JPYC=1円に連動するよう設計されているので、100万円分のJPYCを持っていても、それが120万円になることはありません。
利益を出す方法として、JPYCを預けて運用するDeFi(ブロックチェーン上の金融サービス)という選択肢はありますが、預けた資産が戻らなくなるリスクや詐欺の危険を伴うため、初心者にはおすすめしません。
JPYCは、増やすためのものではなく、送金や支払いに使うためのデジタル資産だと認識しておきましょう。
Q.JPYCの購入に手数料はかかりますか?
A.JPYC自体の発行(購入)や払い戻しの手数料は無料です。
ただし、日本円を振り込む際の銀行の振込手数料と、ブロックチェーン上でJPYCを送るときのガス代(送金時の手数料)は自己負担になります。
手数料の条件は変わることがあるため、実際に使う前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
Q.JPYCはどのチェーンで使うのがおすすめですか?
A.初心者の方には、ガス代の安いポリゴン(POL)がおすすめです。
なぜなら、送金や受け取りにかかる手数料を抑えやすく、大きな失敗をしにくいためです。
もう一つ、より大事な基準として、自分が使いたいサービスや、送る相手が対応しているチェーンに合わせることがあげられます。
例えば、送り先がポリゴン(POL)にしか対応していなければ、こちらもポリゴン(POL)で送る必要があります。
チェーンが違うと資産が届かないため、ガス代の安さよりも、まずは相手やサービスの対応チェーンを確認してください。
Q.JPYCは最低いくらから買えますか?
A.JPYC EXでは、3,000円から発行・払い戻しができます。
また、1回あたりの上限は100万円までに設定されています。
少額から試せるため、まずは使い勝手を確かめたい方でも始めやすいサービスです。
なお、JPYCを発行するには、本人確認のためのマイナンバーカードが必須です。
運転免許証やパスポートでは手続きできないため、マイナンバーカードを持っていない場合は取得から準備してください。
JPYCは仕組みやリスクを理解した上で自分に合った使い方を見つけよう

本記事では、JPYCの仕組みや他のステーブルコインとの違い・将来性などを解説しました。
JPYCは、日本円と1対1で連動する国内初の資金移動型ステーブルコインです。
JPYCは値上がりを狙うものではなく、支払いや送金に使うデジタルの日本円で、公式のJPYC EXを通じて1JPYC=1円で日本円に戻せます。
便利な一方で、発行会社の信用リスク・発行や払い戻しの上限・使えるお店がまだ限られているなど注意点も存在します。
そのため、まずは少額の送金や対応しているお店での支払いから試してみるとよいでしょう。
JPYCの発行や払い戻しは、公式のJPYC EXを使い、送金のときはアドレスとチェーンを確認することで、安心して使い始められます。
なお、私たちPBR LENDINGは、暗号資産のレンディング事業を行っています。
保有している暗号資産を増やしたい方は、PBR LENDINGをご検討ください。
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