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暗号資産(仮想通貨)レンディングの税金とは?課税のタイミングや確定申告の方法を解説
暗号資産の入門書

公開日:2026年8月31日
最終更新日:2026年8月31日
暗号資産(仮想通貨)のレンディングで受け取った利息には、原則として税金がかかります。
しかも、課税されるタイミングは1回ではありません。
レンディングの利息は、売って日本円にしていなくても、受け取った時点で所得として扱われます。
さらに、その暗号資産を売却したときにも課税されるため、税金がかかる場面は2回あります。
レンディングにおける税金の仕組みや課税のタイミングを知らないまま始めると、あとで申告漏れを指摘され、余計な税負担につながることがあります。
本記事では、暗号資産レンディングの利息にかかる税金について、タイミングや確定申告が必要になるケースを中心に解説しています。
記事を読むことで、レンディングを始めるべきかや、利益をいつ確定させればよいかを、税金の面から落ち着いて判断できます。
なお、以下の記事では、暗号資産レンディングの仕組みやメリット・デメリットを解説しています。
暗号資産(仮想通貨)レンディングとは?仕組みやメリット・デメリットを解説
目次
暗号資産レンディングで得た利息にかかる税金は?課税対象と税率を紹介

結論からお伝えすると、暗号資産のレンディングで受け取った利息には、原則として税金がかかります。
レンディングにおける税金のポイントは、利息を受け取った時点で雑所得として課税されることです。
売って日本円にしていなくても課税されるため、申告漏れが最も起きやすいポイントです。
レンディングで得た利息は、給与など他の所得と合算して税額を計算する総合課税の対象です。
所得が多い人ほど税率が上がる仕組みで、所得税と住民税を合わせると最大55%(課税所得4,000万円超の場合)に達します。
ここでは、暗号資産レンディングの税金について、以下の項目を中心に解説します。
レンディングで受け取った利息は原則として雑所得の課税対象になる
暗号資産のレンディングで受け取った利息は、原則として雑所得にあたり、課税の対象になります。
暗号資産のレンディングとは、自分が保有している暗号資産を取引所や専門事業者へ貸し出すことで利息が付与されるサービスです。
なぜレンディングの利息が雑所得になるのかは、国税庁の2つの考え方を組み合わせると導けます。
まず国税庁のFAQでは、レンディングによって暗号資産を取得した場合の扱いについて、次のように示されています。
参照メディア:国税庁|暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)
マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合の所得税又 は法人税の課税関係はどのようになりますか。 マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、その取得に伴い生ずる利益は所得税又は法人税の課税対象となります。 いわゆる「マイニング」、「ステーキング」、「レンディング」など(以下「マイニング等」と いいます。)により暗号資産を取得した場合、その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価) については所得の金額の計算上総収入金額(法人税においては益金の額)に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上必要経費(法人税においては損金の額)に算入されることになります。
つまり、レンディングの利息は課税対象になります。
受け取ったときの価格で日本円に直した金額が収入で、そこから費用を引いた金額に対して税金がかかる、ということです。
そして国税庁は、暗号資産の取引で生じた損益は、原則として雑所得に区分するとしています。
この2つを合わせると、暗号資産レンディングの利息は原則として雑所得になる、という結論になります。
なお、雑所得とは、給与所得や事業所得など主な所得のどれにもあてはまらない所得のことです。
ここで気になるのが、「同じ利息なのに、銀行預金とは違うのか」という点ではないでしょうか。
実は銀行預金の利子は雑所得ではなく、利子所得という別の区分にあたります。
利子所得は、受け取る前に税金が差し引かれる源泉分離課税で完結する仕組みです。
銀行預金の利子と、レンディングにおける利息の税務上の違いを、以下の画像にまとめています。

ただし、レンディングの利息が必ず雑所得になるとは限りません。
例えば、その年の暗号資産取引による収入金額が300万円を超え、帳簿書類を保存しているような場合は、事業所得として扱える可能性があります。
ただし事業所得として認められるケースは限られるため、副業感覚でレンディングしている人であれば、雑所得になると考えておけば十分です。
ここで見落としやすいのが、日本円への換算です。
受け取った利息が暗号資産(コイン)そのものであっても、受け取った時点の価格で日本円に直して計算します。
例えば、1BTC=1,000万円のときに0.01BTCを利息として受け取ったなら、10万円分の収入として計上します。
このように、レンディングの利息は、受け取った時点で雑所得として課税されるのが基本です。
ステーキングやマイニングと比べて課税の扱いに違いはあるのか
ステーキングやマイニングで得た報酬は、原則としてレンディングで得た利息と同じ雑所得として課税されます。
受け取ったときの価格で日本円に直した金額が収入で、そこから費用を差し引いた金額に対して税金がかかる、という点も共通です。
先ほど引用した国税庁のFAQでは、マイニング・ステーキング・レンディングをまとめて「マイニング等」と定義し、同じルールが示されています。
報酬を得るためにかかった費用は必要経費にできるとされており、送金の手数料や損益計算ツールの利用料などがこれにあたります。
税金の制度は共通ですが、報酬が生まれる仕組みや、実務で気をつけたい点はそれぞれ異なります。
レンディング・ステーキング・マイニングの違いは、以下の表にまとめています。
| 方法 | 報酬が生まれる仕組み | 実務で気をつけたい点 |
|---|---|---|
| レンディング | 暗号資産を事業者に貸し出すことで利息が付与される | 貸出先が破綻して返ってこなくなったとき、損失として計上できるかが問題になりやすい |
| ステーキング | 暗号資産を預けてネットワークの維持に協力することで報酬が付与される | 報酬を受け取る回数が多く、受取時の価格の把握と計算量が増えやすい |
| マイニング | 取引の承認作業に参加することで報酬が付与される | 電気代や機材費がかさむため規模が大きくなりやすく、事業所得と判定される場合がある |
このように、どの方法でも「受け取った時点で所得が発生する」という考え方は共通です。
そのため、レンディングの税金を理解しておけば、ステーキングやマイニングの報酬にも同じ考え方を応用できます。
なお、暗号資産のレンディングとステーキングの違いは、以下の記事で解説しています。
仮想通貨(暗号資産)ステーキングの仕組みやレンディングとの違いを解説
年間20万円以下なら非課税?課税対象になるケースとならないケース
「20万円以下なら税金がかからない」とよく言われますが、これは正確ではありません。
正確にお伝えすると、会社員などの給与所得者で、給与以外の所得(レンディングの利息を含む雑所得)の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告をしなくてよい、というルールです。
所得そのものがなくなる(非課税になる)わけではありません。
ここで見落としやすいのが、この20万円という基準は所得税だけのものだという点です。
暗号資産の利益には、国に納める所得税と、住んでいる自治体に納める住民税の2つがかかります。
20万円の基準で免除されるのは、所得税の確定申告だけです。
そのため、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別に必要になります。
つまり、20万円以下の利息も、住民税の申告を通じてきちんと課税される、という仕組みです。
「課税の対象ではあるが、所得税の確定申告だけは不要」という状態だと理解すると、わかりやすくなります。
また、この20万円という基準は、受け取った利息の総額ではなく、経費を差し引いたあとの利益の金額で判断します。
副業などほかの所得がある場合は、それらと合算して20万円を超えるかどうかを見ます。
さらに、20万円のルールが使えるのは、給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる場合などに限られます。
医療費控除やふるさと納税のために確定申告をするなら、20万円以下の利息も含めて申告することになります。
なお、給与がなくレンディングなどの所得だけという主婦や学生の場合は、20万円ではなく基礎控除の額が目安になります。
所得が基礎控除の額以下であれば、課税される所得がゼロになるため、確定申告は原則として不要です。
基礎控除の額は令和7年度の税制改正で見直され、所得が少ない人ほど手厚くなる仕組みに変わりました。
以下の表では、所得税の確定申告が必要かどうかを、ケース別でまとめています。
| ケース | 所得税の確定申告 |
|---|---|
| 会社員で、給与以外の所得(利益)が年20万円以下 | 原則不要(ただし住民税の申告は必要。医療費控除などで確定申告をするなら、20万円以下でも合わせて申告する) |
| 会社員で、給与以外の所得(利益)が年20万円超 | 必要 |
| 給与がなく、所得が基礎控除の額以下 | 原則不要(扶養から外れるかどうかは、合計所得58万円以下という別の基準で判断する) |
まとめると、暗号資産レンディングの利息は、20万円以下であっても課税の対象であり、住民税の申告は必要なので、覚えておきましょう。
総合課税と申告分離課税の違いと暗号資産に適用される最大55%の税率

現在、暗号資産レンディングで得た利息は、総合課税の雑所得にあたり、税率は住民税と合わせて最大55%になります。
所得税には、大きく分けて総合課税と分離課税という2つの課税方法があります。
総合課税とは、給与などの他の所得と合算して所得税を計算する仕組みです。
合算後の課税所得金額が大きくなるほど、段階的に高い税率が適用される累進税率によって税額が計算されます。
一方の分離課税は、株式やFXのように、ほかの所得と分けて一律の税率で処理する方法です。
同じ「分離課税」でも、報酬や利益を受け取る前に税金が差し引かれて完結する源泉分離課税と、自分で申告・納税する申告分離課税があります。
総合課税の所得税率は、課税所得に応じて次のように段階的に上がります。
課税所得とは、年収そのものではなく、そこから給与所得控除や各種の控除を差し引いたあとの金額のことです。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円 から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
表の右端の「控除額」は、税率をかけたあとに差し引く金額で、所得控除とは別のものです。
例えば、課税所得が700万円の人なら、700万円×23%-63万6,000円で税額を計算します。
この所得税に、住民税(原則10%)が加わります。
所得税の最高税率45%に住民税10%を足すと、最大で55%になる、という内訳です(このほかに、所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税が2037年まで上乗せされます)。
この55%という水準は、投資などで得られる利益率と比べるとかなり高めです。
上場株式の譲渡益やFXの利益などは、原則として申告分離課税の対象となり、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて一律20.315%の税率が適用されるため、同じ額の利益でも、上記表の総合課税の場合に比べ税負担が2倍以上になることがあります。
しかも、暗号資産の取引にかかる税額計算では、株式のように損失を翌年へ繰り越したり、他の所得と相殺したりすることが、現行制度では原則としてできません。
なお、暗号資産の売却益等については、現在、雑所得として総合課税の対象となっていますが、暗号資産分野にも申告分離課税を導入する法改正はすでに成立しています。
ただし適用が始まるのは2028年1月ごろになる見通しで、対象も国内の取引業者を通じた「特定暗号資産」の売却などに限られる予定です。
レンディングの利息が対象に含まれるかどうかは、現時点では決まっていません。
つまり、レンディングの利息は、所得が多い人ほど上乗せされる税率が高くなり、税負担が重くなりやすいということです。
当面の間、レンディングで得た利息は、総合課税の雑所得として計算しておけば問題ありません。
暗号資産レンディングで税金がかかるタイミングについて解説

暗号資産のレンディングで税金がかかるタイミングは、利息を受け取ったタイミングと受け取った利息分の暗号資産を売却したタイミングです。
暗号資産をレンディング事業者に貸し出した時点では、利益が確定していないため税金はかかりません。
ここでは、暗号資産レンディングで税金がかかるタイミングについて解説しています。
レンディング事業者に暗号資産を貸し出した時点では課税されない
暗号資産をレンディング事業者に貸し出しただけの段階では、所得は発生せず、税金はかかりません。
なぜなら、レンディング事業者に貸し出した暗号資産は、売却して日本円にしたわけでも、利息を受け取ったわけでもないため、この時点では課税対象になる所得がないからです。
同じように、取引所からレンディング事業者へ暗号資産を送る移管や、自分のウォレットへ暗号資産を送金するだけでは、課税されません。
また、暗号資産を貸し出している間に価格が上がっても、その含み益には課税されません。
課税対象になるのは、あくまで利息を受け取ったときと、受け取った暗号資産を売却したときだけです。
ただし、税金がかからないのは暗号資産を貸し出しているときだけです。
利息を受け取ったり売却したりすれば課税対象になってしまいます。
確定申告の際に、税金の計算を簡単にするためにも、いつ、いくらでレンディング事業者に貸し出したかを記録しておくことが重要です。
利息を受け取ったタイミングで所得が発生する
1回目の課税のタイミングは、レンディングの利息を受け取ったタイミングです。
これは、利息を受け取ることで、そこに新たな利益が確定するためです。
受け取った暗号資産を、受け取ったときの価格で日本円に換算した金額が、雑所得の収入になります。
ここでいう収入とは、経費を差し引く前の金額のことです。
例えば、1BTC=1,000万円のときに0.01BTCを利息として受け取ったなら、10万円がその年の収入として計上されます。

まだ売って日本円にしていなくても、受け取った時点で課税対象になる点に注意が必要です。
では、日本円で評価するときの価格は、どこで確認すればよいのでしょうか。
多くの場合、レンディング事業者の明細に円換算後の金額が記載されているので、その金額を使えば大丈夫です。
円換算後の金額の記載がなければ、利息を受け取った時点の取引所の価格を調べて計算します。
暗号資産の場合、同じ1日の中でも価値が上下しますので、その日のいつの時点の評価額をもとに計算するかが問題となりますが、厳密に利息を受領したその瞬間でなくても、例えば、その日の終値というように基準を設けて差支えありません。
どちらの方法を使う場合も、年間を通じて同じ基準、考え方で計算することが大切です。
注意点として、レンディングで得た利息がいつ付与されるかによって、税金の計算の手間や申告する年が変わります。
まず、毎日利息が付くレンディングサービスを使っている場合、受け取った日ごとに価格を調べて計算することになります。
1年間貸し出した場合、それだけで300回以上の計算が必要です。
あとでまとめて処理しようとすると大変なので、明細はこまめに保存しておきましょう。
もう一つは、レンディングの利息が年をまたいで付与されるケースです。
所得が発生する年は、何月分かではなく、実際に受け取った日で判断します。
そのため、前年の12月分の利息が翌年1月に付与されるなら、その利息は翌年分の所得になります。
なお、受け取った利息が自動的に再びレンディングに回される場合でも、いったん利息を受け取ったものとして、課税対象になります。
口座から引き出していなくても課税される点は、申告漏れが起きやすいので注意が必要です。
このように、レンディングの利息は、受け取るたびに所得が積み上がっていきます。
利息を受け取った日付とその日の暗号資産の評価額がわかる明細は、そのつど保存しておくと安心です。
受け取った暗号資産を売却したり他の銘柄に交換したタイミングでも課税される
2回目の課税のタイミングは、利息として受け取った暗号資産を、売却したり、ほかの銘柄に交換したりしたときです。
暗号資産で買い物の決済をした場合も、買い物代金相当の円で暗号資産を売却し、その売却代金をもって買い物代金を支払ったことになるため、暗号資産を売却した場合と同様と考えられ、暗号資産を円に転換した(買い物代金として支払った)時の価格と、その暗号資産を取得した時の価格(取得価額)との差が、損益になります。
1BTC=1,000万円のときに0.01BTCを利息として受け取ったケースで見てみます。
この0.01BTC(取得価額10万円)を、価格が1BTC=1,100万円に上がったときに売ると、次のようになります。
- 売った金額:0.01BTC×1,100万円=11万円
- 取得価額:10万円
- 売った金額:0.01BTC×1,100万円=11万円
この1万円が、売却による利益として、さらに雑所得に加わります。
つまり、利息受取時の10万円と、利息として受領した暗号資産の売却時の利益1万円を合わせた11万円が、この一連の取引で生じた所得です。
1回のレンディングでも、利息の受取時とその暗号資産の売却時の二段階で所得が生じる点が、暗号資産レンディングに関する税金の大きな特徴です。
なお、ほかの銘柄に交換した場合も、交換した時点の価格で売却したものとみなして計算します。
逆に、売ったときに価格が下がっていれば、その分は売却による損失になります。
このように、レンディングの利息は、受け取った時と売った時の2回、課税される場面があります。
ただし、売った時に課税されるのは値上がりした分だけなので、常に二重に課税されるわけではありません。
利息を受け取った日と、その暗号資産を売った日の価格がわかる記録さえ残しておけば、計算に困ることはないのでご安心ください。
暗号資産レンディングの税金の計算方法を3STEPで解説

暗号資産レンディングの税額は、大きく以下3つのステップで計算します。
なお、STEP2が必要になるのは、受け取った暗号資産を売却したり、交換した人だけです。
利息を受け取っただけの人は、STEP1とSTEP3だけで計算が終わります。
ここでは、暗号資産レンディングの税金の計算方法や税額のシミュレーションなどを紹介しています。
STEP1:受け取った利息の価格を取引履歴から日本円に換算する
最初のステップは、レンディングで受け取った利息を、受け取った時点の価格で日本円に換算することです。
暗号資産のまま受け取っていても、税金の計算はすべて日本円で行うためです。
1年間に複数回、利息を受け取っている場合は、その都度、受け取ったときの価格で円に直し、合計します。
例えば、3か月に1回、0.001BTCずつ利息を受け取ったケースを見てみます。

同じ0.001BTCでも、受け取った日の価格によって円に直した際の金額は変わります。
この合計4万2,000円が、その年の雑所得の収入になります。
この計算に使う価格は、レンディング事業者の明細に円に直した金額が載っていれば、そのまま使えます。
レンディング事業者の明細に載っていない場合は、受け取った日にその暗号資産が取引所でいくらだったかを調べて計算します。
海外のレンディングサービスを使っている場合は、履歴が外国語表記で円に直した金額も出ないことが多いため、手間と時間がかかるので注意が必要です。
なお、取引履歴は一定期間を過ぎると事業者側で見られなくなることがあるため、年をまたぐ前にダウンロードして保存しておくと安心です。
STEP2:売却した場合は取得価額との差で損益を計算する(総平均法と移動平均法)
次に、付与された利息分の暗号資産を売却した場合は、売った金額から取得価額を差し引いて計算します。
取得価額とは、そのコインを手に入れたときの金額のことです。
なお、このステップが必要になるのは、利息として受け取った暗号資産を売却したり交換したりした場合だけです。
利息を受け取っただけで、売却していない人は、STEP2はスキップして構いません。
レンディングの利息で受け取ったコインは、受け取ったときの価格が、そのまま取得価額になります。
ただし、同じ銘柄をすでに買って保有している場合は、買ったときの金額と利息で受け取ったときの金額を、まとめて平均した金額が取得価額になります。
取得価額の計算方法には、総平均法と移動平均法の2つがあり、個人の場合は総平均法が原則です。
総平均法とは、1年間に取得したコインの金額を合計し、数量の合計で割って平均単価を出す方法です。
買った分と利息で受け取った分は、同じ銘柄であれば区別しません。
| 計算方法 | 計算の仕方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 総平均法(原則) | 1年間の購入額の合計を、数量の合計で割って平均単価を出す | 計算が簡単。届出は不要 |
| 移動平均法(届出が必要) | 購入のたびに平均単価を計算し直す | 手間はかかるが、年の途中でも損益を把握しやすい |
実際に、以下のような取引があったとします。
- 購入:0.09BTCを90万円で購入
- 利息:0.01BTCを受け取り、受け取ったときの価格は12万円
この取引を、総平均法で計算すると、以下のようになります。

この1,020万円が、ビットコイン(BTC)を売却するときの計算に使う取得価額です。
この平均単価をもとに、売却した分の損益を計算します。
例えば、1BTC=1,200万円のときに、0.05BTCを売ったとします。

この9万円が、売却によって出た利益です。
STEP1で計算した利息の収入とは別に、この利益も1年間の所得に含めて計算します。
なお、移動平均法を使うには、税務署への届出が事前に必要です。
税務署へ届出をしなければ総平均法になり、一度決めた方法は原則として継続して使います。
ここまでで、売却による損益が出ました。
次のSTEP3では、この損益とSTEP1の利息の収入を合わせ、経費を差し引いて1年間の所得を確定させます。
STEP3:手数料などの必要経費を差し引いて年間の損益を計算する
最後のステップは、手数料などの必要経費を差し引いて、1年間の所得を確定させることです。
収入から必要経費を引いた金額が、最終的に課税される雑所得になります。
計算式にすると、次のようになります。
受け取った利息の合計(円換算)+売却損益-必要経費=雑所得
STEP1とSTEP2の数字を当てはめてみます。
必要経費が5,000円だった場合は、次のようになります。
- 利息の収入(STEP1):42,000円
- 売却による利益(STEP2):90,000円
- 必要経費:5,000円
- 雑所得:42,000円+90,000円-5,000円=127,000円
この12万7,000円が、その年の雑所得です。
必要経費として認められる可能性があるのは、売買や送金の際の暗号資産送付手数料、損益計算ツールの利用料など、利息を得るために直接かかった費用です。

国税庁も、マイニングなどで暗号資産を得るために要した費用は必要経費に算入できる、と示しています。
一方で、普段づかいのパソコンの購入費用など私的な利用と混ざるものは、全額を経費にはできません。
私的な利用と混ざる費用は、レンディングのために使った割合に応じて、その分だけを計上することになります。
また、レンディングは実際に発生する費用が少ないため、経費はあまり発生しないのが実情です。
なお、どこまでが経費になるかは、状況によって判断が分かれます。
手数料やツールの利用料など、レンディングのために直接かかったものを目安にしつつ、迷う場合は税理士や税務署に確認しましょう。
利息50万円から300万円までのケース別に税額をシミュレーション
実際にどのくらいの税額になるのか、レンディングで受け取った利息の金額別に目安をみてみます。
ここでの「利息」は、経費を差し引いたあとの利益の金額を指します。
まず、身近な規模で考えてみます。
例えば、年収500万円の会社員が、100万円分の暗号資産を年利3%で1年間レンディングした場合、利息は以下のようになります。
- 貸し出した金額:100万円
- 年利:3%
- 1年間の利息:100万円×3%=3万円
この規模であれば、ほかの副収入と合わせて20万円を超えないかぎり、所得税の確定申告は不要です。
一方、元本が大きくなれば利息も増えます。
例えば、利息が50万円になると、税額は税率20%の人で約10万円、税率43%の人なら約21万5,000円です。
同じ利息でも、その人の所得によって2倍以上の差が出る点には、注意が必要です。
なぜなら、暗号資産の利息は総合課税で、同じ利息でも、その人のほかの所得によって累進税率が変わるためです。
次の表は、利息の金額と、その人の税率区分ごとの税額の目安です。
| 受け取った利息 (利益) | 税率15% (課税所得195万円以下) | 税率20% (195万〜330万円) | 税率30% (330万〜695万円) | 税率43% (900万〜1,800万円) |
|---|---|---|---|---|
| 50万円 | 約7.5万円 | 約10万円 | 約15万円 | 約21.5万円 |
| 100万円 | 約15万円 | 約20万円 | 約30万円 | 約43万円 |
| 200万円 | 約30万円 | 約40万円 | 約60万円 | 約86万円 |
| 300万円 | 約45万円 | 約60万円 | 約90万円 | 約129万円 |
※(税率は所得税と住民税を合わせた目安で、復興特別所得税は含めていません)
自分がどの列に該当するかは、年収ではなく課税所得で判断します。
例えば、年収500万円の会社員なら、給与所得控除や社会保険料などを差し引いた課税所得はおよそ200万円前後になるため、税率20%の列が目安です。
この表は、利息の全額に同じ税率をかけた、あくまで目安です。
実際の所得税は累進課税のため、課税所得額に利息が加わることで税率の区分をまたぐことがあります。
例えば、課税所得600万円の人が利息200万円を受け取ると、695万円までの部分は30%、それを超えた部分は43%というように、複数の税率で計算されます。
このように、正確な税額は、給与などを含めた1年間の所得全体で決まります。
いずれにしても、受け取る利息が同じでも、給与などの所得が多い人ほど、手元に残る金額は少なくなります。
特に給与所得が高い人は、レンディングの利息にそのまま高い税率が上乗せされるため、受け取る前に税額を試算しておくと安心です。
暗号資産レンディングの税金で注意したいリスクを紹介

暗号資産のレンディングには、株式やFXにはない、税金の面での注意点があります。
ここでは、暗号資産レンディングの税金で注意したい5つのリスクを紹介します。
- レンディングで損失が出ても給与所得と相殺したり翌年に繰り越したりはできない
- 元本が返ってこない場合でも、条件を満たさないと損失として計上できない
- 海外のレンディングサービスは利用者保護が受けにくく損益計算の手間もかかる
- 取引履歴は後から取得できないことがある
- 申告しなかったり計算が漏れたりすると無申告加算税や延滞税がかかる
リスクを事前に確認しておくことで、あとから想定外の税金が発生したり、取り戻せたはずの損失を計上し損ねたりすることを防げます。
レンディングで損失が出ても給与所得と相殺したり翌年に繰り越したりはできない
暗号資産のレンディングや売却で損失が出ても、その損失を給与所得など他の所得と相殺すること(損益通算)はできません。
また、その年の損失を翌年以降に繰り越す繰越控除も使えません。
なぜなら、暗号資産の損益が雑所得にあたり、雑所得にはこれらの仕組みが用意されていないためです。
具体的な例は、以下の画像にまとめています。

繰越しについても同じで、上場株式の取引なら、使いきれなかった損失を3年間繰り越し、翌年以降の利益から差し引けます。
暗号資産にはこの仕組みがないため、前年に大きな損失を出していても、翌年の利益にはそのまま税金がかかります。
ただし、同じ雑所得の中であれば、利益と損失を合算することはできます。
例えば、レンディングの利息で利益が出て、別の暗号資産の売却で損失が出た場合は、その年の雑所得の中で差し引きして計算できます。
暗号資産どうしだけでなく、ほかに副収入があってそれが雑所得にあたる場合は、それとの通算も可能です。
このように、暗号資産の売却などで損失が出ても、それで税金を減らせるのは、その年の雑所得の中だけです。
暗号資産レンディングや売却で損失が出た年も、雑所得の中でできるだけ相殺し、正しく計算しておくことが、無駄な税負担を避けることにつながります。
元本が返ってこない場合は条件を満たさないと損失として計上できない
レンディングでは、貸し出した先の事業者が事業に失敗した場合や、ハッキング被害に遭った場合には、預けた元本が戻ってこない可能性があります。
この場合、戻らなかった分を貸倒損失(回収できなくなった分の損失)として、必要経費にできることがあります。
ただし、認められるには要件があり、しかも差し引ける金額には上限があるため注意が必要です。
国税庁の通達では、貸倒損失として処理できるのは次のような場合とされています。
- 貸し出した先の資産状況や支払能力などからみて、全額が回収できないことが明らかになったとき
- 担保がある場合は、その担保を処分したあとであること
つまり、破綻したからといって、すぐに損失にできるわけではありません。
貸倒損失として計上できる基本的なケースは、破産手続きが進み、回収できない金額が確定した場合です。
もっとも、破産手続きには年単位の時間がかかることがあり、破綻の発表があった年ではなく、金額が確定した年の損失として扱う点に注意が必要です。
次に、差し引ける金額にも上限があり、所得税法では、その年の雑所得の金額までと定められています(所得税法第51条第4項)。
例えば、元本100万円が戻らなくても、その年のレンディングなどの雑所得が20万円しかなければ、必要経費にできるのは20万円までです。
超えた80万円は切り捨てとなり、翌年に繰り越すこともできません。
このように、元本が戻らないという最悪の場合でも、税金面での救済は限られます。
実際に元本が戻らなくなったときは、その年の雑所得がいくらあるかを確認したうえで、税理士や所轄の税務署に相談しましょう。
海外のレンディングサービスは利用者保護が受けにくく損益計算の手間もかかる
海外のレンディングサービスを使う場合は、利用者保護と損益計算の両面で、国内とは異なる注意が必要です。
国内のレンディングサービスには、暗号資産交換業者が提供しているものと、レンディング専業の事業者が提供しているものがあります。
前者は暗号資産交換業者として金融庁(財務局)の登録を受けていますが、後者はそもそも金融庁への登録が必要ありません。
ただし、どちらの場合でも、レンディングで貸し出された暗号資産は、交換業者に義務づけられている分別管理の対象外です。
レンディングの対象となる暗号資産は、貸し出された時点で所有権が所有者(顧客)から事業者に移るため、その事業者が破綻しても、優先して返してもらえる保証はありません。
海外のレンディングサービスでは、これに加えて日本の法律による保護が及びにくく、トラブルが起きたときに救済を求めるのがさらに難しくなります。
また、日本に住んでいる人に向けて、登録なしで暗号資産取引に関するサービスを提供することは、資金決済法に違反する行為で、金融庁が警告を出した事例もあります。
利用した人が罰せられるわけではありませんが、無登録の海外業者との間で問題が起きても、日本の制度では守られにくいのが実情です。
税金の面でも、次のような負担があります。
- 取引履歴が外貨や外国語の表示になっており、円換算に手間がかかる
- 外国で税金が引かれた場合、日本での取り扱いが複雑になる
- 事業者が日本市場から撤退すると、履歴そのものが取得できなくなる
それでも、日本に住んでいる以上、海外のレンディングサービスを利用していたとしても、海外サービスで得た利息を日本で確定申告する義務があります。
海外サービスを使う場合や、すでに使っている場合は、次のことをしておくと安心です。
- 利息を受け取るたび、その時点の円換算額を自分で記録しておく
- 取引履歴をこまめにダウンロードして保存しておく
- 金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で、登録された業者かどうかを確認する
こうした手間とリスクを踏まえると、初めてレンディングサービスを利用する際は、国内の登録業者から始めるのが無難です。
以下の記事では、海外の仮想通貨レンディング事業者のリスクや国内事業者との違いを紹介しています。
海外の仮想通貨(暗号資産)レンディングのリスクや国内事業者との違いを紹介
取引履歴は後から取得できないことがある
レンディングの利息の受取や、暗号資産の売買の履歴は、確定申告の計算に欠かせないので、早めにダウンロードして保存しておきましょう。
事業者の閉鎖やサービス終了はもちろん、多くの取引所は履歴の保存期間を1〜2年ほどに設定しているため、平常時でも、数年前の古い履歴は取得できなくなる可能性があるので注意が必要です。
保存しておきたい取引履歴は、以下のようなものです。
- 1年間の取引をまとめた年間取引報告書
- 利息の受取履歴(受け取った日と数量、円換算額がわかるもの)
- 購入したときの履歴(いつ、いくらで買ったか)
- 取引所や事業者への送金の記録
購入履歴や送金の記録が必要なのは、売却したときの損益を計算するために、取得価額の把握が欠かせないためです。
取引履歴を保存するタイミングは、利息を受け取るたび、または少なくとも年末に1回が目安です。
CSVやPDFの形で残しておくと、あとで履歴が取得できなくなっても、手元のデータで計算を進められます。
なお、取引履歴が取得できなかった場合、国税庁は取得価額が分からない場合に、売った金額の5%を取得価額として計算してよい、という方法を示しています(国税庁FAQ「暗号資産の取得価額や売却価額が分からない場合」)。
しかし、5%で計算する方法だと、売った金額のほとんどが利益とみなされ、税額が大きくなります。
そのため、まずは取引履歴を復元できないかを試しましょう。
方法として、事業者に再発行を依頼する、取引所への入出金記録や銀行の振込記録から取得時の金額をたどる、といったものがあります。
復元した記録から取得価額を合理的に算定できれば、5%ではなく実際の金額で計算できます。
ただし、復元には時間も手間もかかってしまい、必ずしも記録が見つかるとは限りません。
取引履歴さえ残っていれば、こうした手間も、5%で計算して税金が増えるリスクも避けられます。
利息を受け取ったとき、暗号資産を買ったときは、その記録を都度ダウンロードしておきましょう。
申告しなかったり計算が漏れたりすると無申告加算税や延滞税がかかる
申告が必要なのに申告しなかったり、所得を少なく計上したりすると、本来の税金に加えてペナルティが課されることがあります。
主なものは、無申告加算税、過少申告加算税、延滞税の3つです。
いずれも、本来納めるべき税額に対して、次の割合で上乗せされます。
| ペナルティ | 課せれる場面 | 税率の目安 |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | 申告額が本来より少なかった場合 | 原則10% (当初の申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%) |
| 無申告加算税 | 期限までに申告しなかった場合 | 50万円以下の部分15%50万円超300万円以下の部分20%300万円超の部分30% |
| 延滞税 | 納付が期限に遅れた場合 | 遅れた日数に応じて加算 |
例えば、本来納めるべき税金が20万円で、それを申告していなかった場合、無申告加算税だけで3万円(20万円×15%)が上乗せされ、これに延滞税も加わります。
また、意図的に所得を隠すなど悪質と判断された場合は、これらに代えて重加算税(35%または40%)という、さらに重いペナルティが課されることがあるので注意が必要です。
対策として、申告を忘れていた場合でも、税務署の調査の通知を受ける前に自分から気づいて期限後の申告をすれば、無申告加算税は5%に軽減されます。
何もしないまま税務調査で指摘されると15%以上になりますが、気づいた時点で早めに申告すれば、その分だけ負担は軽くなります。
何年も前に申告していない分がある場合も同じで、税務調査は原則5年分(悪質な場合は7年分)さかのぼるため、放置するほど負担が積み上がります。
なお、暗号資産の取引は、国内の交換業者への照会や海外口座情報のやりとりなど、税務署が把握できる仕組みが整っており、申告しなければ発覚する可能性が高いといえます。
このようなペナルティを避ける一番の方法は、正しく期限内に申告することです。
暗号資産レンディングで確定申告が必要になる目安を紹介

確定申告が必要かどうかは、その人の立場によって変わります。
暗号資産レンディングの利息は雑所得にあたり、他の所得や控除しだいで、申告が必要になる金額が変わるためです。
ここでは、会社員、扶養に入っている人、個人事業主や法人という立場ごとの確定申告が必要になる目安と、見落としやすい住民税の申告について解説します。
会社員などの給与所得者は雑所得が20万円を超えると確定申告が必要
勤務先が1社の会社員は、給与以外の所得(暗号資産レンディングの利息を含む雑所得)の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。
この年間20万円は、受け取った金額そのものではなく、経費を差し引いたあとの所得(利益)で判断します。
例えば、利息を25万円受け取り、経費が1万円かかった場合、所得は24万円なので、申告が必要です。
また副収入が複数あるときは、すべての副収入を合算して考えます。
ただし、この年間20万円の基準が使えるのは、次の条件を満たす場合だけです。
- その年の給与の収入が2,000万円以下であること
- 年末調整が済んでいること
- 勤務先が1社であること
- ふるさと納税はワンストップ特例を使い、確定申告をしないこと
また医療費控除などのために確定申告をするなら、20万円以下の利息もまとめて申告することになります。
つまり、20万円以下で申告しなくてよいのは、確定申告を一切しない場合に限られる、と考えておくと安全です。
なお、副業を会社に知られたくない場合は、住民税の納め方を工夫する方法があります。
住民税は通常、給与から天引きされますが(特別徴収)、確定申告のときに、給与以外の所得にかかる分だけを自分で納付する(普通徴収)を選べば、天引きされずに済むことがあります。
ただし、自治体によっては手続きが認められず、結局は給与から天引きされることもあります。
会社員の場合、判断のポイントは、給与以外の所得が20万円を超えるかどうか、医療費控除などで確定申告をする予定があるかどうかの2つです。
このどちらかに当てはまれば、レンディングの利息も含めて申告することになります。
主婦や学生など扶養に入っている場合は基礎控除の額が目安になる
主婦や学生など、家族の扶養に入っていて給与がない人の場合、目安になる金額が2つあります。
| ライン | 金額 | 超えるとどうなるか |
|---|---|---|
| 自分の確定申告が必要になる場合 | 95万円(基礎控除の額) | 自分に所得税がかかり、確定申告が必要になる |
| 扶養から外れる場合 | 58万円 | 家族の扶養控除が使えなくなり、家族の税金が増える |
所得が増えたとき、先に超えるのは58万円の基準のほうです。
つまり、自分に所得税がかからない段階でも、家族の税金が増えることがあります。
まず、扶養から外れるラインから見ていきます。
本人のその年の所得の合計が58万円を超えると、家族の扶養から外れます(扶養の基準は、令和7年度改正で48万円から58万円に引き上げられました)。
扶養から外れると、家族が受けていた扶養控除(一般の扶養親族で38万円)が使えなくなります。
例えば、家族の税率が20%なら、およそ7万6,000円の負担増になります。
自分の税金ではなく、家族の税金が増える点に注意が必要です。
一方、自分の所得税の確定申告が必要になるのは、暗号資産レンディングなどの所得が基礎控除の額を超えたときです。
基礎控除は所得が少ない人ほど大きく、給与がなく所得の少ない人の場合は、令和7年度の税制改正により95万円になります。
この額までは課税される所得がゼロになるため、例えばレンディングなどの所得が80万円であれば、所得税の確定申告は原則として不要です(なお、この上乗せ分には期限があり、一部の区分では令和9年分以後に58万円へ戻る予定です)。
つまり、扶養に入っている自分の所得が58万円から95万円の間なら、自分に所得税はかからなくても、家族の税金は増えることになります。
そのため、扶養に入っている人は、自分の申告が必要かどうかより先に、58万円のラインを意識しておくのが安全です。
所得が58万円に近づいてきたら、その年のうちに利息の受け取りや売却のタイミングを調整することを検討してみてください。
個人事業主や法人の場合に確定申告が必要になる条件
個人事業主やフリーランスの場合、給与所得者のような20万円の特例はありません。
そのため、暗号資産レンディングの所得が少額でも、原則として確定申告が必要です。

個人事業主やフリーランスの確定申告のやり方としては、事業の所得とは分けて、暗号資産レンディングの利息や売却益を雑所得として記載します。
この所得は、事業の売上と混ぜて計上するわけではない点に注意してください。
なお、暗号資産の取引に使ったパソコンや通信費は、その割合に応じて雑所得の経費に含められる場合があります。
ただし、事業の経費として計上するものとは分けて管理する必要があります。
また、法人でレンディングを行う場合は、個人とは大きく扱いが変わります。
まず、法人が期末(決算日)に保有している暗号資産は、原則として、その日の価格に基づいて損益を計算します。
暗号資産を買ったときより値上がりしていれば、売っていなくても利益が出たものとして扱われます。
これは、手元に現金が入っていないのに納税だけ発生するため、個人にはない負担といえます。
ただし、令和5年度・令和6年度の改正で例外が整備され、譲渡が制限された暗号資産などは、この時価評価の対象外とされ、買ったときの価格のまま計上できます。
一方で、法人には有利な面もあります。
それは、個人の雑所得が最大でおよそ55%なのに対し、法人の税金は、法人税や住民税などを合わせた実質的な負担率で、およそ30%前後で頭打ちになることです。
さらに、個人ではできなかった損益通算ができ、赤字(欠損金)を最大10年間繰り越せます。
この記事で見てきた「個人は損失を相殺できず不利」という点が、法人では大きく変わるのです。
そのため、税率の面からみると、課税所得が800万円から900万円を超えるあたりで税率が逆転し、法人のほうが有利になりやすいとされています。
したがって、レンディングで数百万円規模の利息を継続的に得ているような場合は、法人化も選択肢になります。
ただし、法人には設立の費用や、赤字でも毎年かかる住民税の均等割、会計や申告の手間もあります。
こうしたコストも踏まえて、税率だけで判断せず、税理士に相談したうえで、自分の規模に合うかを検討しましょう。
雑所得が20万円以下でも住民税の申告は必要になる
会社員で雑所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別に必要になります。
20万円以下で申告しなくてよいのは、あくまで所得税だけのルールだからです。
ただし、所得税の確定申告をした人は、住民税の申告を行う必要はありません。
なぜなら、所得税の確定申告をした際の情報が、市区町村にも自動で共有されるためです。
住民税の申告が必要になるのは、雑所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない人です。
該当する場合は、以下の方法で手続きを行います。
- 申告先:お住まいの市区町村の窓口、または郵送
- 期限:原則として所得税の確定申告と同じ3月15日まで
- 必要なもの:暗号資産レンディングの所得がわかる資料(取引履歴や年間取引報告書)、給与の源泉徴収票、本人確認書類など
申告書の様式や記入の案内は、市区町村のホームページに掲載されているため、それに沿って進めれば問題なく手続きできます。
なお、住民税には、所得が一定額以下の人を対象とした非課税の基準があり、これにあてはまる場合は、申告自体が不要なことがあります。
非課税の基準は自治体によって異なるため、自分が該当するか分からないときは、市区町村の窓口で確認しましょう。
申告が必要なのに手続きをしないまま納付が遅れると、延滞金がかかることがあります。
そのため、住民税が少額だからと放置せず、期限内に済ませておきましょう。
暗号資産レンディングの確定申告のやり方を4STEPで解説

確定申告が必要だとわかったら、いよいよ手続きを行います。
確定申告の期間は、原則として対象年の翌年の2月16日~3月15日までです。
ただし、レンディング事業者から取引履歴を集めたり、損益を計算したりするのには時間がかかります。
そのため、期限の直前ではなく、年が明けたら早めに申告準備に取りかかるのが安心です。
確定申告と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やることは以下の4つのステップのみです。
ここからは、実際に申告書を作って提出するまでの手続きを追っていきます。
なお、確定申告書の提出は、e-Taxを使えば自宅から完結しますが、税務署の窓口に持参したり、郵送したりすることもできます。
STEP1:年間取引報告書や取引履歴をダウンロードして必要書類を準備する

最初のステップは、確定申告に使う書類を集めることです。
はじめに用意したいのが、レンディング事業者から入手する取引履歴です。
多くのレンディング事業者では、会員ページから1年分の取引をまとめた年間取引報告書や、利息の受取履歴を、CSVやPDFの形式でダウンロードできるように準備しています。
なお、年間取引報告書は、取引所などの暗号資産交換業者が発行できる書類です。
レンディングの専門事業者では、年間報告書の発行は行っていませんが、代用として取引履歴CSVダウンロード機能が提供されていることが多いです。
ダウンロードした書類に、1年分の取引きと利息の記録がすべて含まれているかを確認します。
複数のレンディング事業者を使っている場合は、各事業者から取引履歴をダウンロードし、1年分の取引と利息の記録を集めてください。
なお、レンディング事業者の取引履歴が手に入らない場合は、売った金額の5%を取得価額として計算する方法もありますが、税額が大きくなりがちです。
そのため、レンディング事業者への再発行の依頼など、取引履歴を復元できないか確認しましょう。
確定申告には、取引履歴に加えて、以下のものが必要です。
- 会社員の場合は源泉徴収票
- マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カードと本人確認書類)
- 払いすぎた税金が戻ってくる(還付)場合は、振込先の口座情報
- 生命保険料控除やiDeCoなど、年末調整で処理していない控除がある場合は、その証明書
必要な書類をすべて揃えたら、STEP2に進みます。
STEP2:計算ツールにファイルを読み込ませて年間損益を確定させる
次のステップは、集めた取引履歴をもとに、1年間の損益を計算することです。
毎日利息が付与されるレンディングサービスなら、それだけで年300回以上の記録になるので、暗号資産に対応した損益計算ツールを使うのが一般的です。
代表的なツールが、クリプタクトです。クリプタクトは、ダウンロードした取引履歴のファイルを読み込ませると、受け取った時点の価格での円換算や、総平均法による取得価額の計算を自動で行い、年間の損益を集計してくれます。
この集計された年間の損益が、申告書に記入する金額のもとになります(以前はGtaxというツールもありましたが、2026年にクリプタクトへ統合され、新規の利用はクリプタクトに一本化されています)。
なお、海外の暗号資産レンディング事業者を使っている場合は、対応した有料プラン(クリプタクトのベーシックプラン以上)が必要になることがあります。
海外サービスは履歴が外国語や外貨の表示になっていて扱いが複雑なため、使っているツールが海外対応しているかを事前に確認しておくと安心です。
一方、取引回数が少ない人は、国税庁が公開している「暗号資産の計算書(総平均法用)」というエクセルを使う方法もあります。
無料で使えるので、利息の受け取りが年に数回程度なら、こちらでも十分です。
計算ツールを使う場合も、読み込ませた履歴に抜けがないか、未分類の取引が残っていないかは、自分で確認しましょう。
STEP3:確定申告書の雑所得(その他)の欄に入力する
次に、STEP2で計算した金額を、確定申告書に記入します。
その際に、暗号資産レンディングの利息は、雑所得の中の「その他」に区分して入力しましょう。
ここで注意したいのが、申告書に入れるのは損益の一本の数字ではなく、収入金額と必要経費を分けて入力するという点です。
利息と売却益は合算して、一つの収入金額として扱います。
具体的には、以下のようになります。
- 収入金額:13万2,000円(利息4万2,000円+売却益9万円)
- 必要経費:5,000円
- 所得金額:12万7,000円(自動で計算されます)
収入金額と必要経費をそれぞれの欄に入れれば、所得金額は自動で計算されます。
また、種目という欄には「暗号資産」と記入します。
この入力は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って進められます。入力の流れは、以下の通りです。
- ①トップから「収入金額・所得金額の入力」に進む
- ②雑所得の「その他」を選ぶ
- ③種目に「暗号資産」、収入金額、必要経費を入力する
- ④会社員の場合は、給与所得の欄に源泉徴収票の内容も入力する
これで、最終的に納める税額や、納めすぎた分が戻ってくる金額が自動で計算されます。
なお、紙の申告書で提出する場合も、雑所得(その他)の欄に、種目・収入金額・必要経費を記載する形は同じです。
ただし、副業として帳簿を付けているような場合は「その他」ではなく「業務」に区分することもあるため、判断に迷うときは税務署に確認してください。
STEP4:e-Taxで提出して納税する(申告期限と納付のタイミング)
最後に、作成した申告書を提出し納税します。
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日~3月15日までで、納税の期限も同じ3月15日です。
期限に遅れてしまうと、延滞税などがかかる場合があるので注意しましょう。
具体的な提出方法は、以下の3つです。
- e-Tax(電子申告)
- 税務署の窓口へ持参
- 郵送
e-Taxは、自宅で手続きが完結するので税務署へ行く必要がなく、作成コーナーで作った申告書のデータをその場で送信できます。
なお、e-Taxの利用には、マイナンバーカードと、その読み取り(カードリーダーかスマートフォン)が必要です。
カードがない場合は、事前に税務署で発行してもらうID・パスワードを使う方式もあります。
どちらも準備に時間がかかることがあるため、申告の直前ではなく、早めに用意しておくと安心です。
確定申告書の提出が済んだら、次は納税です。
納付の方法は、提出方法とは別で選べます。
- 振替納税(銀行口座からの引き落とし)
- クレジットカード納付
- コンビニ納付
- スマホアプリ納付
なかでも振替納税は、口座からの引き落としが4月中旬になるため、納付を1か月ほど先に延ばせます。
この点は、納税資金の準備に少し余裕がほしい場合に便利です。
ただし、利用するには申告期限までに依頼書を提出しておく必要があります。
この納税資金の準備は、レンディングをしている人にとっては特に重要です。
というのも、利息を受け取った時点で税金はかかりますが、その暗号資産を貸し出したままだと、手元に納税用の現金がないことがあるためです。
納税のために暗号資産を売るという方法もありますが、その売却でさらに税金がかかります。
こうした事態を避けるため、利益が出た年は、あらかじめ税額の分を見込んで、現金を用意しておくと安心です。
以上の4つのステップを踏めば、暗号資産レンディングの確定申告は完了します。
難しく見えても、取引履歴を集め、ツールで計算し、作成コーナーで入力し、提出して納税する、という流れに沿えば、着実に進められます。
暗号資産の税制改正で分離課税はいつから?レンディングへの影響を解説

暗号資産の税金は、2026年に成立した改正法によって、暗号資産の利益を株式などと同じ申告分離課税(税率20.315%)にする方針が定まりました。
結論からお伝えすると、この分離課税が暗号資産の利益に適用されるのは2028年ごろになる見通しで、今すぐ変わるわけではありません。
今年や来年の申告は、レンディングの利息を総合課税の雑所得として計算する、これまでどおりの方法で問題ありません。
ここでは、暗号資産の税制改正について、以下の項目を解説していきます。
以下の記事では、金融商品取引法等の改正についてPBR LENDINGの見解をまとめています。
このたびの金融商品取引法等の改正についてPBR LENDINGの見解
2026年3月に成立した改正法で何が決まったのか
2026年には、暗号資産の税金と法律上の位置づけについて、2つの改正が成立しました。
| 改正法 | 成立時期 | 決まった主な内容 |
|---|---|---|
| 所得税法などの改正法 | 2026年3月 | 暗号資産の利益に、税率20.315%の申告分離課税を導入する |
| 金融商品取引法・資金決済法の改正法 | 2026年7月 | 暗号資産を、金融商品取引法上の「金融商品」として扱う |
まず税金の面では、暗号資産の売却で得た利益に、申告分離課税を導入することが決まりました。
これまでの雑所得・総合課税から切り離し、株式やFXと同じように、ほかの所得と分けて一律の税率で計算する方式です。
税率は20.315%で、内訳は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%となっています。
ただし、対象となるのは、一定の要件を満たす特定暗号資産の現物の売却などに限られます。
特定暗号資産は、国内の取引業者で扱われている主要な銘柄などが想定されており、すべての取引が対象になるわけではありません。
もう一方の金融商品取引法などの改正では、暗号資産の位置づけそのものが変わりました。
これまで資金決済法のもとで「支払いの手段」として扱われてきた暗号資産が、金融商品取引法上の「金融商品」として規制されることになりました。
これにより、利用者保護のルールや、インサイダー取引の規制なども整えられます。
ここまで見てきた2つの改正法は、施行の時期でつながっています。
分離課税がいつから始まるかは、金融商品取引法の施行日を基準に決まることから、現時点で開始時期は未定です。
具体的には、金融商品取引法の改正法が施行された年の、翌年1月1日からと定められています。
金融商品取引法の改正法は、公布から1年以内に施行される予定で、2027年中の施行が見込まれています。
そうすると、分離課税の適用は2028年1月1日からになりそうです。
制度としての導入は決まっていても、実際に税率が変わるのはもう少し先のことになりそうです。
含み益を抱えている人にとって、この時期はいつ円転するかの判断材料になります。

例えば、100万円の含み益がある人が今その暗号資産を売れば、税率43%の場合で税額はおよそ43万円です。
これが分離課税の20.315%になれば、税額はおよそ20万円まで下がり、20万円以上の差が生まれます。
ただし、分離課税の開始を待つ間に暗号資産の価格が下がれば、税率の差以上に利益が減るかもしれません。
施行時期も「見込み」であって確定した日付ではない点にも注意が必要です。
また、レンディングの利息が分離課税の対象になるかは、まだ決まっていません。
当面の間は、総合課税の雑所得として税額を見積もっておくのが安全です。
レンディング・ステーキング報酬は対象になるのか
分離課税の対象になるのは、主に暗号資産を売却したときの譲渡益(特定暗号資産の現物譲渡)です。
では、レンディングやステーキングで受け取る利息・報酬はどうなるのでしょうか。
結論から言うと、レンディングの利息は、分離課税の対象には含まれない可能性が高いと考えられます。
理由は、分離課税の対象となるのは、保有する暗号資産を売って得た利益に限られているからです。
2026年7月の金融商品取引法の改正で、暗号資産の取引所が証券会社に近い規制を受けるようになることが定められたのも、源泉分離課税に対応できるようにするためではないかと考えられます。
一方、レンディングの利息は、暗号資産を売って得るものではなく、あくまで暗号資産を貸し付けたことに対して利息契約に基づいて付与されるものに過ぎません。
レンディングは、暗号資産を貸し出すことで利息を受け取るものです。
「売却益」と「受取利息」では利益の性質が違うため、これまでも税制上では別のものとして扱われてきました。
そのため、今後もし分離課税が始まっても、レンディングの利息は当面、これまでどおり総合課税の雑所得のままになる可能性があります。
つまり、売却益の税率が下がるのを待つという判断はありえても、レンディングの利息については、これまでどおりの税率で考えておくのが安全です。
ただし、これは現時点での見通しで、今後の政令や国税庁の取り扱いによって変わることもあります。
最新の状況は、国税庁や金融庁の発表で確認しておくとよいでしょう。
損失の繰越控除は使えるようになる?今後の注目ポイント
今回の暗号資産取引にかかる税制改正で大きいのが、損失の繰越控除が導入されることです。
これまで暗号資産取引にかかる税額計算では損失の繰越は使えませんでしたが、改正によって、分離課税の対象になる取引で出た損失を、翌年以後3年間にわたって繰り越せることが決まりました。
例えば、ある年に100万円の損失が出て、翌年に100万円の利益が出たとします。
繰越控除が使えれば、前年の損失と相殺して、その年の税金をゼロにできます。
ただし、繰越控除を使うには以下の条件があります。
- 損失が出た年に、確定申告書を提出すること
- その後も毎年、確定申告書を提出し続けること
注意点として、利益がなく税額がゼロの年でも、申告を続けないと、繰り越す権利がなくなります。
また、相殺できる範囲にも限りがあり、繰り越した損失と相殺できるのは、暗号資産の売却で出た利益だけで、株式やFXの利益とは通算できません。
繰越控除の対象になるのは、特定暗号資産を売却して出た損失です。
レンディングの利息は分離課税の対象に入らない可能性が高いため、この繰越控除も、レンディングの利息とは相殺できない可能性が高いと考えられます。
なお、繰越控除が使えるようになるのも、分離課税と同じ2028年ごろからの見通しです。
それまでは、現行のルールにもとづいて申告することになります。
このように、繰越控除は、暗号資産取引にかかる税制のなかでも大きな前進です。
ただし、対象は売却で出た損失に限られ、レンディングの利息には及ばない見込みです。
さらに、繰越控除を使うには、毎年の確定申告が欠かせません。
制度が始まったときに慌てないよう、今のうちから取引の記録を残し、申告を習慣にしておくことをおすすめします。
暗号資産レンディングの税金に関するよくある質問

ここでは、暗号資産レンディングの税金に関する、よくある質問をまとめています。
レンディング中に価格が上がっただけでも課税になるのか、損失が出た場合でも確定申告が必要なのかなどをまとめているので、確認してみてください。
Q.暗号資産のレンディングの利息は雑所得ですか?
A.はい、原則として雑所得にあたります。
国税庁は、レンディングなどで受け取った暗号資産について、受け取った時点の価格を収入として計算するとしています。
また、暗号資産の取引で生じた損益は、原則として雑所得に区分するとしています。
この2つを合わせると、レンディングの利息は雑所得になります。
注意したいのは、売って日本円にしていなくても、受け取った時点で課税される点です。
給与などと合算して税額を計算する総合課税の対象で、所得が多い人ほど税率が上がります。
なお、暗号資産の収入が年300万円を超え、帳簿を付けているような場合は、事業所得となることがあります。
Q.レンディングで確定申告は必要ですか?
A.立場により異なりますが、会社員なら年20万円が目安です。
・会社員などの給与所得者:レンディングを含む給与以外の所得が、年20万円を超えると原則として必要
・給与がなく扶養に入っている人:所得が基礎控除の額を超えると必要(所得が少ない場合、基礎控除は95万円)
・個人事業主:金額にかかわらず原則として必要
扶養に入っている人は、合計所得58万円を超えると扶養から外れる点にも注意が必要です。
申告が必要になるラインとは別の基準です。
なお、会社員で20万円以下の場合、所得税の申告は不要でも、住民税の申告が別に必要です。
所得税の確定申告をする場合は、住民税の申告は必要ありません。
Q.ビットコインの税金がばれないというのは本当ですか?
A.適切に納税しなければならず、申告しなくてよい、という意味ではありません。
税務署には、暗号資産の取引を把握する経路がいくつもあります。
・国内の交換業者に対して、取引情報を照会できる
・海外の取引所を使っていても、2027年からはCARF(暗号資産等報告枠組み)という国際的なルールにもとづき、各国の税務当局が口座情報を自動でやりとりする仕組みが始まる予定
・銀行口座への入出金の記録
・マイナンバーによって、同じ人の口座や取引を結びつけられる
申告をしないままでいると、あとから指摘され、無申告加算税や延滞税などが課されることがあります。
税務調査は、原則として5年分(悪質な場合は7年分)さかのぼります。
ただし、もし申告を忘れていても、税務署の調査が入る前に自分から申告すれば、無申告加算税は軽くなります(5%まで下がります)。
ばれるかどうかを気にするより、気づいた時点で早めに申告することが重要です。
Q.レンディング中に価格が上がっただけでも課税されますか?
A.いいえ、保有しているだけでは課税されません。
なぜなら、個人の場合、貸し出している暗号資産の価格が上がっても、値上がりしただけの利益(含み益)の段階では、税金はかからないためです。
税金がかかるのは、利息を受け取った時と、その暗号資産を売った時の2回です。
ただし売った時に税金がかかるのは、利息として受け取った時点の価格より値上がりした分だけです。
Q.損失が出た場合も確定申告は必要ですか?
A.年間トータルで損失なら、原則として確定申告は不要です。
まず、1年間の暗号資産の損益(利益と損失を合わせたもの)を合計します。
暗号資産どうしの利益と損失は、同じ雑所得の中で相殺できます。
その結果、年間トータルがマイナスなら、ほかに申告すべき所得がないかぎり、確定申告は必要ありません。
反対に、一部の取引で損失が出ても、利息などと合わせてトータルがプラスになり、会社員で20万円を超える場合は、申告が必要です。
なお、株式のように、損失が出た年に申告して翌年へ繰り越す、ということは暗号資産取引ではできません。
そのため、トータルで損失の年に、わざわざ申告してもメリットはありません。
ただし、所得税の申告をしない場合でも、住民税の申告が別に必要になることがあります。
暗号資産レンディングの税金を理解して売却するかどうかを判断しよう

本記事では、暗号資産レンディングの税金について、税金が発生するタイミングや確定申告のやり方などを中心に解説しました。
暗号資産レンディングの税金は、ポイントを押さえればそれほど複雑ではありません。
最後に、記事で紹介した要点を整理します。
- 受け取った利息は、原則として雑所得(総合課税)にあたる
- 課税されるのは、利息を受け取った時と、それを売却・交換した時の2回
- 会社員は、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要
- 利益が20万円以下でも、住民税の申告は別に必要になることがある
- 損失が出ても、給与など他の所得との損益通算や、翌年への繰越はできない
- 税額の計算は、受け取ったときの価格で記録し、履歴を保存し、計算ツールを使うと進めやすい
税制改正については、20.315%の申告分離課税の導入がすでに確定していますが、適用は2028年ごろの見通しです。
当面は、レンディングの利息も売却益も、これまでどおり総合課税の雑所得として申告します。
なお、分離課税の対象は暗号資産を売却したときの利益とされているため、レンディングの利息は2028年以降も総合課税のままになる可能性があります。
一方、売却益については税率が下がる可能性があるため、大きな利益を確定させるタイミングを考えるうえでは、この動きも判断材料になります。
税金の仕組みを理解しておけば、余計なペナルティを避けられるだけでなく、いつ売るか、レンディングを始めるかどうかも、自分で判断できるようになります。
なお、私たちPBR LENDINGは、暗号資産のレンディングサービスを提供しています。
保有している暗号資産を貸し出し、その対価として数量を増やしたい方に向いた選択肢です。
私たちPBR LENDINGについては、以下のページから確認できるので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
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