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マイナウォレットとは?マイナンバーカードの安全性・将来性・使い方を初心者向けに徹底解説
暗号資産の入門書

公開日:2026年8月4日
最終更新日:2026年8月4日
マイナウォレットとは、マイナンバーカードで本人確認をして暗号資産・ステーブルコイン・NFTを管理できるウォレットアプリで、運営するのは国ではなく民間企業です。
マイナウォレットは、様々な実証実験を経て、2026年7月21日にサービスの一般提供が始まりました。
そんなマイナウォレットの仕組みや安全性について確認しないと、暗号資産がなくなってしまったり、サービスが利用できなくなったりするのではないかなどの不安が付きまとってしまいます。
そこで本記事では、マイナウォレットの仕組みや安全性・将来性・使い方などを中心に解説していきます。
この記事を読むことで、マイナウォレットが自分に合うサービスかどうかを判断することができ、使う場合には安心して使い始めることができるはずです。
以下の記事では、暗号資産の基本情報や日本円との違いなどを紹介しています。
PBR LENDINGを始める前に知っておきたい暗号資産の基本と準備の流れ
目次
マイナウォレットとは?仕組みや誕生の背景などを紹介

マイナウォレットとは、マイナンバーカードを活用して暗号資産・ステーブルコイン・NFT・デジタルIDなどのデジタル資産を手軽に利用・管理できるウォレットアプリです。
マイナウォレットは、その名称から公的サービスを連想しがちですが、マイナウォレット株式会社という民間企業が運営しており、2026年7月21日に一般提供が始まっています。
ここでは、マイナウォレットについて以下の項目を中心に解説していきます。
マイナウォレットの仕組み
マイナウォレットの仕組みは、マイナンバーカードをかざして本人確認を済ませるとウォレットが作られ、その後の操作はスマートフォンの指紋認証や顔認証で行う、というものです。

資産を動かすための鍵は利用者自身が持ちますが、その鍵を自分で覚えたり保管したりする必要はありません。
この仕組みの新しさは、これまで本人確認が不要だった暗号資産ウォレットに、マイナンバーカードという公的な本人確認を組み込んだ点にあります。
意外に思われるかもしれませんが、MetaMask(メタマスク)に代表される一般的な暗号資産ウォレットは、本人確認をせずに誰でも作れます。
書類の提出や顔の撮影が必要なのは、コインチェックなどの取引所(暗号資産交換業者)で口座を開くときであって、ウォレットそのものではありません。
そのため従来のウォレットでは、手軽な反面、そのウォレットを誰が使っているのかが分かりませんでした。
マイナウォレットはここにマイナンバーカードによる公的な本人確認を組み込んでおり、運営会社はこれを「KYC済み(本人確認済み)のノンカストディアルウォレット」と説明しています。
実際の流れは、次のようになります。
- ①マイナンバーカードをスマートフォンにかざす
- ②公的個人認証サービス(JPKI)で本人確認が行われる
- ③ウォレットが作成される
- ④これ以降の操作は、登録した「パスキー」で承認する
- ⑤スマートフォンやパスキーを失っても、マイナンバーカードでウォレットを復旧できる
パスキーとは、指紋認証や顔認証でログインや承認ができる仕組みのことです。
パスワードを覚える必要がなく、多くの人がすでにスマホのアプリなどで使っています。
なお、スマートフォンに搭載したマイナンバーカード(スマホ用電子証明書/2026年6月時点で約800万枚)でも利用できます。
公的個人認証サービス(JPKI)とは、マイナンバーカードのICチップに入っている電子証明書を使い、オンラインで本人であることを公的に証明する仕組みです。
運営しているのは、国と地方公共団体が共同で管理する法人である地方公共団体情報システム機構(J-LIS)で、電子証明書の発行者として本人確認の信頼のよりどころになっています。
ここで押さえておきたいのは、使われるのはマイナンバーカードの中の電子証明書であって、12桁のマイナンバー(個人番号)そのものではないという点です。
そのため、個人番号が運営会社に渡ることはないとされています。
ただし、本人確認を行う以上、そこで使われる署名用電子証明書に含まれる基本4情報(氏名・住所・生年月日・性別)は運営会社によって取り扱われます。
運営会社に、個人番号は渡らないが、氏名などの情報がまったく扱われないわけではないと理解しておくと安心です。
もう一つは、秘密鍵(資産を動かすための自分だけの鍵)の持ち方です。
マイナウォレットは、秘密鍵を会社ではなく利用者側が保有するノンカストディアルウォレットです。
ただし、日々の操作はパスキーの承認で行うため、利用者は秘密鍵やシードフレーズ(鍵を復元するための合言葉)を自分で暗記・保管する必要がありません。
秘密鍵の管理が不要になったのではなく、秘密鍵を意識せずに使える設計になったという点がポイントです。
この設計だからこそ、あとで解説するアカウント復旧が可能になります(技術的には、Account Abstraction(アカウント抽象化)と公的個人認証を組み合わせて実現されています)。

つまりマイナウォレットは、本人確認が不要だった暗号資産ウォレットに、マイナンバーカードによる公的な本人確認とアカウント復旧の仕組みを組み込み、初心者でも扱いやすくしたアプリだといえます。
マイナウォレット誕生の背景
マイナウォレットが誕生した背景を一言でいうと、決済手段としてステーブルコインを使える制度は整ったのに、それを使う手段が難しすぎた、というギャップを埋めるためです。
はじめに、2022年に改正され、2023年6月1日に施行された資金決済法で「電子決済手段」という区分が新たに定められ、いわゆるステーブルコインに決済手段としての法的な位置づけが与えられました。
ステーブルコインとは、日本円や米ドルなどの通貨と価格が連動するように設計された暗号資産のことであり、価値が乱高下する他の暗号資産とは性質が異なることから、電子的な決済手段と位置付けられたのです。
これにより、事業者は特に海外送金がより簡便になり、利用者には一定の安全性が確保され、決済手段としての普及が見込まれるはずでした。
しかし、他方では、ステーブルコインを取得したり、実際に使うための環境整備が追いついておらず、暗号資産のウォレットも、秘密鍵の管理や専用アプリの準備が難しく、高齢者や子どもを含む幅広い層には手が届きにくいものでした。
ステーブルコインにとっては、法的制度は整ったのに、実際に使うための入口がないといったことが普及への最大の課題でした。
そこでマイナウォレットの運営会社であるマイナウォレット株式会社は、約1億枚が発行され、日本で最も普及した本人確認の手段であるマイナンバーカードに注目しました。
すでに多くの人が持っているカードを入口に使えば、Web3(ブロックチェーンを活用した次世代のインターネット)のサービスを、より多くの人が使えるようになると考えたのです。
マイナウォレット株式会社の主な歩みは以下の通りです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年6月16日 | シードラウンドで2億円を調達。暗号資産取引所であるCoincheckとの協業を発表 |
| 2025年7月10日 | 千葉工業大学にてマイナウォレットを使った実証実験を行う |
| 2025年10月24日付 | マイナウォレット公的個人認証サービス(JPKI)のプラットフォーム事業者として主務大臣認定を取得 |
| 2026年1月5日 | しずおかフィナンシャルグループとWeb3事業に関する共同研究を開始 |
| 2026年1月16日 | 三井住友カード、マイナンバーカードを活用したステーブルコイン決済の連続実証実験を共同で開始 |
| 2026年2月24日〜3月2日 | デジタルガレージ・JCB・りそなHDと実店舗において「マイナウォレット」を活用したステーブルコインQRコード決済の実証実験を実施 |
| 2026年7月21日 | マイナウォレットアプリをApp Store・Google Playで一般提供開始 |
特に、2025年10月の主務大臣認定を受けたことで、マイナウォレットは自社だけでなく、ほかの事業者や公的サービスにも本人確認の仕組みを提供できる立場になりました。
デジタル庁によると、認定を受けた事業者は2025年10月時点で24社あり、マイナウォレット株式会社もその一社です。
つまりマイナウォレットは、ステーブルコインの制度が整った一方で「使う手段」が追いついていない、というギャップを埋めるために生まれたサービスだといえます。
日本で最も普及した本人確認の手段であるマイナンバーカードを入口に選んだのは、その必然的な帰結でした。
参照メディア
デジタル庁|民間事業者(マイナウォレット株式会社)に対して公的個人認証サービスの利用に関する主務大臣認定を行いました
マイナウォレット|マイナウォレット、シードラウンドで2億円の資金調達を実施
マイナウォレット|コインチェックとマイナウォレット、協業のお知らせ
マイナウォレット|千葉工大にてマイナウォレットを使った実証実験を行いました
マイナウォレット|マイナウォレット、しずおかフィナンシャルグループと web3 事業に関する共同研究を開始
PR TIMES|三井住友カードとマイナウォレット、マイナンバーカードを活用したステーブルコイン決済の連続実証実験を共同で開始
マイナウォレット|マイナウォレット、デジタルガレージ・JCB・りそなHDと実店舗において「マイナウォレット」を活用したステーブルコインQRコード決済の実証実験を実施
マイナウォレットの運営会社について
マイナウォレットは、国や自治体ではなく、マイナウォレット株式会社という民間企業が運営しています。
マイナウォレット株式会社の会社概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | マイナウォレット株式会社(MynaWallet, Inc.) |
| 設立年月 | 2023年6月26日 |
| 所在地 | 〒100-0004東京都千代田区大手町一丁目6番1号大手町ビル4階 FINOLAB内 |
| 資本金 | 60,036,500円(マイナウォレット公式サイトに記載) |
| 代表取締役 | 橘博之 |
| 法人番号 | 5021001079430 |
| 事業内容 | 公的個人認証を活用したデジタル資産ウォレットおよび周辺システムの開発 |
| 主なサービス | マイナウォレット、マイナペイ |
| 主要株主 | gmjp holdings、Coincheck Group N.V. |
| 公式サイト | https://www.mynawallet.jp/ |
ここで注目したいのは、資本と事業の両面で大手が関わっている点です。
資本面では、2025年6月のシードラウンドで、gmjp holdingsと、コインチェックの親会社であるCoincheck Group N.V.から出資(2億円)を受けています。
事業面では、三井住友カード・JCB・りそなホールディングス・しずおかフィナンシャルグループといった大手金融機関と実証実験を重ねてきました。
また、デジタル庁や内閣官房が主導する会議体にも参加し、制度作りへの提言も行っています。
一方で、会社自体は2023年設立の少数精鋭のスタートアップ企業といえます。
大手が資本・事業で関わっているとはいえ、運営はまだ若い会社が担っているという実像も、あわせて知っておく必要があると思います。
また、国の認定(主務大臣認定)を受けているのは本人確認の仕組みを扱う事業者としてであり、国がサービスの内容や資産を保証しているわけではないということを認識しておきましょう。
マイナウォレットと従来の暗号資産ウォレットとの違いについて

マイナウォレットと従来の暗号資産ウォレットの大きな違いは、アカウント復旧方法にあります。
シードフレーズで管理する従来の暗号資産ウォレットは、シードフレーズを紛失した時点で資産を取り戻す方法(ウォレットを復旧する方法)がありませんが、マイナウォレットは、マイナンバーカードさえあれば復旧できます。
ここでは、マイナウォレットと従来の暗号資産ウォレットの違いを以下の4項目を中心に解説していきます。
それぞれの違いを理解することで、マイナウォレットが自分に合っているかどうかを判断できます。
読み進める前に、以下の表で全体像を確認してください。
| 比較項目 | マイナウォレット | 従来の暗号資産ウォレット |
|---|---|---|
| 本人確認 | マイナンバーカードの公的個人認証サービス(JPKI)で実施 | 基本的になし |
| 秘密鍵の管理 | 利用者が保有 (自分で保管する必要はない) | 利用者が保有し、自分で保管する |
| アカウント復旧 | マイナンバーカードで復旧できる | シードフレーズを紛失すると復旧できない |
| ガス代 | 基本的な送受信は運営が条件付きで負担 | 利用者が自分で負担 |
| 匿名性 | 本人確認が必須のため匿名では使えない | 匿名で作成・利用できる |
| 対応チェーン | 6種類(順次拡大予定) | 10種類~100種類以上 |
本人確認(KYC)の違い

マイナウォレットと従来の暗号資産ウォレットの本人確認の違いは、公的な本人確認が入口にあるかどうかです。
そもそもKYC(Know Your Customer)とは、金融サービスなどで行う本人確認のことです。
マイナウォレットは、ウォレットを作る時点でマイナンバーカードによる本人確認を求めます。
ここで使われるのが公的個人認証サービス(JPKI)です。
公的個人認証サービス(JPKI)とは、カードのICチップに入った電子証明書を読み取り、操作しているのが本人であることを公的に確認する仕組みです。
利用者は、書類の撮影も顔写真の撮影も不要で、スマートフォンにマイナンバーカードをかざすだけで本人確認が完了します。
審査の待ち時間もないため、最短1分でウォレットを作成できます。
一方、MetaMaskに代表される従来の暗号資産ウォレットは、基本的に本人確認がなくアプリをダウンロードすれば誰でもその場で利用でき、氏名も住所も求められません。
ここで基本的にと書いたのは、例外があるためです。
取引所が提供するウォレット(取引所が資産を預かるタイプ)では、口座開設時に本人確認があります。
ただしこれは取引所の口座の話であって、ウォレットそのものの仕組みではありません。
自分で管理するタイプのプライベートウォレットは、本人確認なしで作れると考えてください。
このような本人確認(KYC)の違いが、後に利用できるサービスを大きく分けます。
マイナウォレットは本人確認済みの状態で作られるため、本人確認が前提となるサービスとつながりやすくなります。
運営会社は今後の展開として、デジタル地域通貨や給付金・補助金の配布、決済サービスなどに対応することを予定しています(いずれも現時点でアプリに搭載されている機能ではありません)。
従来の暗号資産ウォレットでは、持ち主が誰なのかを誰も保証できないため、こうした公的・社会的なサービスとの連携は困難です。
ただし、本人確認が必須である以上、匿名では使えません。
また、マイナンバーカードを持っていなければ、そもそも作成できません。
匿名性を重視する人やマイナンバーカードを持っていない人は、従来の暗号資産ウォレットのほうが向いている場面もあります。
つまり本人確認の有無は、手続きが面倒かどうかではなく、そのウォレットが社会の仕組みとつながれるかどうかを分ける境界線になっているということです。
秘密鍵の管理方法の違い

秘密鍵の管理方法の違いは、鍵を誰が持つかではなく、その鍵を自分で保管する手間を負うかどうかにあります。
実は、秘密鍵を利用者自身が持つ点は、マイナウォレットも従来の暗号資産ウォレットも同じです。
秘密鍵とは、資産を動かすために必要な、自分だけが持つ「実印」のようなものです。
パスワードと違って再発行はできず、持っている人が本人とみなされます。
従来のウォレットでは、作成時に12〜24個の英単語(シードフレーズ)が表示されます。
スマートフォンを紛失したり故障してしまったとき、機種変更などのときは、このシードフレーズだけが復旧の手段になります。
シードフレーズを紛失した時点で、ウォレットは復旧できず、あったはずの暗号資産は二度と取り出せなくなります。
一方、マイナウォレットでは、日々の操作は、パスキー(指紋や顔認証で承認する仕組み)で行い、パスキーを失ってもマイナンバーカードで復旧できます。
そのため、シードフレーズを自分で管理するといったことが不要になります。

このような、自分で管理するタイプのウォレット(自己管理型ウォレット)の本当のメリットは、安心感というより資産に手をつけられるのが自分だけ、という点にあります。
会社が資産を預かる方式ではないため、預けた資産が返ってこなくなるという事態は起こりにくい仕組みです。
ただし、アプリや運営側のシステムが停止した場合に、これまでと同じ手順で操作できるとは限りません。
また、操作に使うパスキーはスマートフォンなどの端末に紐づくため、利用の前提がマイナンバーカードとスマートフォンの2つに固定されます。
従来の暗号資産ウォレットは、シードフレーズさえあれば別のウォレットにも復元できますが、その自由度は下がります。
つまりマイナウォレットは、秘密鍵を利用者に持たせたまま、シードフレーズの保管という部分だけをマイナンバーカードに肩代わりさせた設計だといえます。
アカウント復旧方法の違い

アカウント復旧方法の違いは、失敗したときに取り返しがつくかどうかです。
従来の暗号資産ウォレットが、一度失えば終わりだったのに対し、マイナウォレットはマイナンバーカードという物理的な復旧手段を用意しました。
従来の暗号資産ウォレットでは、スマートフォンを紛失・故障させたとき、頼れるのはシードフレーズだけです。
シードフレーズを書き写した紙を失くしてしまった場合、資産は二度と取り出すことはできません。
この一度きりの重さが、多くの人が暗号資産の入口で立ち止まる理由でした。
マイナウォレットは、JPKI(公的個人認証サービス)とAccount Abstraction(アカウントの操作や復旧を柔軟に設計できる技術)を組み合わせることで、この前提を変えています。
スマートフォンやパスキーを失っても、マイナンバーカードを使ってアカウントを復旧(リカバリー)できるため、シードフレーズを書き写しておく必要がありません。
マイナウォレットのアカウントの復旧には、マイナンバーカードそのものとカードに設定した暗証番号が必要です。
マイナンバーカードをかざすだけで完了するわけではないので、カードを拾った第三者が勝手にアカウントを復旧することはできません。
もし暗証番号を忘れたり、入力を続けてロックがかかったりした場合でも、マイナンバーカードの署名用パスワード(6〜16桁の英数字)と利用者証明用パスワード(4桁の数字)は、スマートフォンとコンビニのマルチコピー機を使って初期化・再設定できます。
つまり、暗証番号を忘れても、窓口に行かずその日のうちに再設定できます。
一方で、マイナンバーカード自体をなくした場合はカードの再発行を申請し、手元に届くまでの間は復旧の手段がないため注意が必要です。
マイナンバーカードには有効期限があり、電子証明書の期限はカード本体より先に来るため、期限切れにも気を付ける必要があります。
また、マイナウォレットのアカウント復旧については、復旧機能があるからといって、すべての失敗が救済されるわけではありません。
復旧できるのは、ウォレットに入り直すための手段だけで、失った資産そのものではありません。
例えば、次のようなケースは、マイナンバーカードがあっても失った資産は取り戻せません。
- 送金先のアドレスを間違えて送ってしまった
- 対応していないチェーンに送ってしまった
- 詐欺サイトに接続して、自分で承認してしまった
これらはいずれも、利用者本人が承認した正しい取引として処理されるため、運営会社であっても取り消せません。
つまり、マイナンバーカードで取り戻せるのは、マイナウォレットのアカウントだけで、一度送ってしまった資産は取り戻すことができません。
以上のことからも、マイナウォレットのアカウント復旧機能は、暗号資産の入口にあった「失敗は一度きりで取り返しがつかない」という重さを取り除くものです。
ただし取り除かれたのはシードフレーズの保管と復旧の負担だけであって、失った資産そのものの責任は肩代わりしてくれません。
ここを間違わなければ、従来の暗号資産ウォレットより格段に扱いやすいと判断できます。
ガス代の負担方法の違い

ガス代の負担方法の違いは、送金するために別の暗号資産を用意する必要があるかどうかです。
従来の暗号資産ウォレットは自分で用意する必要がありますが、マイナウォレットは基本の送受信分を運営会社が負担します。
暗号資産におけるガス代とは、ブロックチェーン上で送金などをするときにかかる手数料のことです。
これは運営会社の取り分ではなく、取引を処理するブロックチェーンのネットワークに支払われるものです。
例えば、1,000円分のステーブルコインを誰かに送りたいだけでも、従来のウォレットでは、その前にイーサリアムなどの別の暗号資産(ガス代用)を用意しないと送れません。
そのガス代を支払うために、別の暗号資産を買うには取引所の口座が必要で、口座開設には本人確認が必要です。
また買った暗号資産をウォレットへ送る操作も欠かせません。
また暗号資産を送りたいだけなのに、手数料のためにもう一種類の暗号資産を買う、というひと手間が挟まります。
さらに困るのが、ウォレットに資産は入っているのに、ガス代がないせいで1円分も動かせなくなる状態です。
いわゆるガス欠で、初心者が最もつまずきやすいところです。

その点、マイナウォレットは、基本的な送受信のガス代を運営会社が肩代わりして負担します。
そのため、ガス代用の暗号資産をわざわざ用意する必要がありません。
これは、Account Abstraction(アカウントの操作や復旧を柔軟に設計できる技術 )で実現されていて、復旧もガス代の肩代わりも、実は同じ技術が支えています。
ただし、いつでも何でも無料というわけではありません。
ガス代の負担には、次のような条件があります。
- 対象となるチェーン
- 一回あたりの手数料
- 利用回数
この範囲を超える使い方や対象外の取引では、扱いが変わる可能性があります。
条件の詳細は変更されることもあるため、実際に使う前に公式サイトで最新の内容を確認するようにしましょう。
条件の範囲で使う分にはマイナウォレットが手軽ですが、それを超えて自由に使いたい人には、従来のウォレットのほうが向いている場面があります。
以上のことから、ガス代の負担方法の違いは、手数料のために別の暗号資産を用意する手間があるかどうかです。
ガス欠をなくし、ステーブルコインや暗号資産を好きなタイミングで送れるようにしたのが、マイナウォレットです。
マイナウォレットの対応チェーン・管理できる資産・手数料を解説

ここでは、マイナウォレットを実際に使うときに知っておきたい基本情報を、以下の3点に分けて解説します。
マイナウォレットを使い始めてから困らないよう、順に確認していきましょう。
マイナウォレットの対応チェーン|イーサリアムなど6チェーンに対応
マイナウォレットは、2026年7月時点で6つのチェーンに対応しています。
チェーンとは、ブロックチェーンの種類のことです。
少しややこしいのですが、同じ名前の暗号資産でも、複数のチェーンにそれぞれ別々に存在します。
例えば、USDCというステーブルコインは、イーサリアム上のUSDCとポリゴン上のUSDCが別々にあり、名前は同じでも直接は行き来できません。
だからこそ、資産を送る前に、マイナウォレットが対応しているチェーンかどうかを確認する必要があります。
対応している6つのチェーンは、次のとおりです。
- イーサリアム(Ethereum)
- ポリゴン(Polygon)
- アバランチ(Avalanche)
- ベース(Base)
- オプティミズム(Optimism)
- アービトラム(Arbitrum)
このうちベース・オプティミズム・アービトラムは、イーサリアムの取引を速く安く行うためのレイヤー2と呼ばれるネットワークです。
ポリゴンも手数料の安さが特徴で、アバランチは独立したブロックチェーンです。
6つに共通するのはEVM互換、つまりイーサリアムと同じ規格で動くという点です。
利用者にとっては、「0x」から始まる同じ形式のアドレスをそのまま使える、という利点があります。

なお、対応チェーンは今後さらに拡大する予定とされています。
特に注意したいのが、対応していないチェーンに送ってしまった場合です。
送った資産はマイナウォレットに表示されず、マイナンバーカードで復旧しても戻ってきません。
そのため、取引所から送金するときは、送金画面のチェーン(ネットワークと表示される場合あり)が該当しているか必ず確認してください。
つまりマイナウォレットの対応チェーンは、EVM互換の主要6チェーンに絞られています。
数は多くありませんが、ステーブルコインの送受信という日常的な使い方には十分な顔ぶれです。
マイナウォレットを使う前に、自分が扱いたい資産がどのチェーン上にあるかだけは、確認しておきましょう。
マイナウォレットで管理できる資産|暗号資産・ステーブルコイン・NFT
マイナウォレットで管理できる資産は、大きく分けて暗号資産(トークン)・ステーブルコイン・NFTの3種類です。
それぞれの違いを画像にまとめています。

ほかにも、マイナンバーカードで本人確認をするという特性を生かして、デジタルID(本人確認済みの身分証のようなデータ)も扱える対象に挙げられています。
ただし、現時点でどこまでアプリに実装されているかは公表されておらず、今後の展開が注目されます。
マイナウォレットアプリでできるのは、これらの資産の送受信と、保有している資産の残高・推移の表示です。
ホーム画面を見れば、いま自分がどの資産をどれだけ持っているかが一目で分かります。
資産の送受信を行う際は、名前だけでなく、その資産がどのチェーンにあるかまでセットで確認することで、暗号資産やステーブルコインを失うリスクを防げます。
なお、実際に扱える銘柄はサービスの状況によって変わるため、最新の対応銘柄はアプリ内や公式サイトで確認してください。
注意点として、マイナウォレット自体には、暗号資産を購入する機能はありません。
つまりマイナウォレットは、暗号資産・ステーブルコイン・NFTをまとめて持ち歩ける財布のようなアプリです。
しかし、暗号資産などの購入機能はないので、暗号資産取引所から送金する必要がある点は押さえておきましょう。
マイナウォレットの手数料|アプリは無料でガス代は運営が負担
マイナウォレットの手数料は、アプリの利用もアカウント作成も無料です。
日常的な送受信であれば、手数料を意識せずに使えます。
ただし完全に無料というわけではなく、自分で負担する手数料もあります。
マイナウォレットの手数料に関する全体像を、以下の表にまとめています。
| 手数料の種類 | 負担 |
|---|---|
| アプリのダウンロード・利用 | 無料 |
| アカウント作成 | 無料 |
| 基本的な送受信のガス代 | 運営会社が負担(条件あり) |
| 条件を超える取引・対象外の取引 | 扱いが変わる可能性あり(要確認) |
| 取引所からの出金・送金手数料 | 利用者が負担(取引所ごとに異なる) |
| マイナンバーカードの取得・再発行 | 新規取得は原則無料・再発行は手数料あり |
ガス代(ブロックチェーン上で送金するときにかかる手数料)は、基本的な送受信の分は運営会社が肩代わりします。
ただし、負担してもらえるのは、対象となるチェーン・一回あたりの手数料・利用回数といった条件の範囲内です。
この範囲を超える取引や対象外の取引では、扱いが変わる可能性があるので注意が必要です。
見落としやすいのが、運営会社が負担しない手数料です。
例えば、取引所からマイナウォレットへ暗号資産を送るときには、取引所が定める出金手数料がかかるのが一般的で、金額は取引所や銘柄によって異なります。
そのため、利用する取引所の手数料は、事前に確認しておきましょう。
つまりマイナウォレットは、アプリの利用そのものに費用はかからないということです。
ただし完全無料ではなく、無料なのは日常的な送受信の範囲だと理解しておきましょう。
マイナウォレットは安全?セキュリティと個人情報の取り扱いを検証

マイナンバーカードを使うと聞くと、個人情報は大丈夫かと不安になる方も多いでしょう。
ここでは、マイナウォレットの安全性について、以下の4つの視点で検証します。
安全性を確認することで、利用して大丈夫なサービスかが判断できます。
マイナンバー(個人番号)は運営会社に渡るのか
結論から言うと、マイナンバー(12桁の個人番号)が運営会社に渡ることはありません。
マイナウォレットが使うのは、マイナンバーカードのICチップに入っている電子証明書であり、マイナンバーそのものは読み取りにも保存にも使いません。
ただし、個人情報がまったく運営会社に渡らないというわけではなく、本人確認に使われる署名用電子証明書には、氏名・住所・生年月日・性別という4つの情報(基本4情報)が含まれます。
本人確認を行う以上、運営会社は基本4情報を扱うことになるので、その点はあらかじめ認識しておきましょう。
マイナンバーが運営会社に渡らないと言える根拠は、制度としても次のように担保されています。
- 運営会社の利用規約で、マイナンバーそのものを取得・保存しないと定めている
- 公的個人認証サービス(JPKI)を民間で扱うには国の認定が必要
- 運営会社は2025年10月にプラットフォーム事業者として主務大臣認定を取得
- マイナンバーの収集・保管・使用は法律で厳しく限定されている
そのため、マイナウォレット株式会社が、マイナンバーを使って住民票や税の情報を照会するといったことはできません。
もう一つ、ブロックチェーンならではの注意点として、ブロックチェーン上の取引履歴は、誰でも見られる公開状態です。
ウォレットのアドレスさえ分かれば、いつ・どのくらいの暗号資産を送ったかが追えてしまいます。
マイナウォレットは本人確認済みなので、運営会社側ではこのアドレスが誰のものなのかがわかる状態になります。
そのため、外部の第三者がアドレスから持ち主を特定できるわけではありませんが、SNSなどで自分のウォレットアドレスを公開すると、取引履歴と結びついて個人が特定される可能性がある点には注意が必要です。
つまり、マイナウォレットの運営会社に渡るのは本人であることの証明だけです。
基本4情報は扱われるため、オンラインサービスに登録するのと同じくらいの個人情報は預けていると考えておくとよいでしょう。
パスキー署名でパスワード不要になる仕組み
パスキーがパスワードより安全なのは、便利だからではなくそもそも盗まれる対象がないからです。
ここが、パスキーを理解するうえで最も大事な部分です。
まず、パスワードとの構造の違いを見てみましょう。
パスワードは、正解の文字列がサービス側(サーバー)にも、利用者の記憶にも存在します。
そのため、サーバーから漏れることもあれば、盗み見られることも、使い回して連鎖することもあります。
一方パスキーは、認証に使う秘密の鍵が端末の中から外に出ません。
サービス側には鍵の片割れ(公開鍵)しか置かれないため、たとえサーバーが攻撃されても、盗める秘密がそもそもありません。

このような仕組みから、パスキーには以下3つの強みがあります。
| パスキーの強み | 理由 |
|---|---|
| 漏れても連鎖しない | パスキーは端末ごと・サービスごとに別々の鍵が作られます。 パスワードのような使い回しがないので、どこか1か所から漏れて芋づる式に破られる、ということが起きません。 |
| 偽サイトに強い(フィッシング対策) | 偽サイトに誘導されても、パスキーは、そのサイトが本物でなければ反応しません。 パスワードは利用者がだまされて入力してしまえば突破されますが、パスキーは利用者が騙されても、仕組みのほうが止めてくれます。 |
| 指紋データは会社に渡らない | 指紋や顔認証は、端末の中の鍵を本人だけが取り出すための確認です。 指紋そのものが運営会社に送られるわけではありません。 |
しかし、パスキーはスマホなど端末に紐づいているため、機種変更や端末の故障の時は、改めて設定し直す必要があります。
つまり、パスキーは、パスワードを覚えなくていいようにしただけの仕組みではなく、盗まれる対象そのものをなくしたものです。
スマホやマイナンバーカードを紛失した場合はどうなるのか
スマホやマイナンバーカードをなくしてまず心配になるのは、拾った人に中身を見られたり、勝手に使われたりしないかだと思います。
結論から言うと、片方をなくしただけなら、第三者がすぐに資産を動かせるわけではありません。
マイナウォレットには、スマホの指紋・顔認証と、マイナンバーカードの暗証番号という二重の守りがあるからです。
加えて、マイナンバーカードは暗証番号を一定回数間違えるとロックされるため、拾った人が数字を片っぱしから試して突破する、ということはできません。
実際に、スマホやマイナンバーカードをなくしてしまった場合は、以下の手順で対応しましょう。
マイナンバーカードを無くした場合
- ①マイナンバーカードを一時停止を申請
- ②マイナンバーカードの再発行手続き
スマホだけなくした場合
- ①スマホ側の紛失対応(遠隔ロックなど)を行う
- ②手元にあるマイナンバーカードでアカウントを復旧する
注意点として、マイナンバーカードの一時停止は、カードの中の電子証明書も一緒に止まってしまいます。
この電子証明書は、マイナウォレットのアカウントを復旧するときに使うものです。
つまりマイナンバーカードの一時停止中は、マイナンバーカードがあってもマイナウォレットのアカウントを復旧できなくなります。
困るのがマイナンバーカードは手元にあるが、スマホだけを無くしてしまったときです。
スマホだけをなくした場合は、マイナンバーカードの一時停止は申請しないでください。
まず、スマホ会社への連絡や遠隔ロックなど、スマホの紛失対応を行います。
その後、なくしたスマホが見つかったら、手元にあるマイナンバーカードを使ってアカウントを復旧してください。
なお、マイナンバーカードの暗証番号を間違えて、ロックがかかってしまった場合、スマートフォンやコンビニのマルチコピー機で初期化・再設定が可能です。
最後に、マイナンバーカードとスマホの保管場所を分けておくことで、両方を同時に失うリスクがぐっと下がります。
つまり、片方をなくしても、二重の守りと一時停止の仕組みで、すぐ悪用されることはありません。
なくしたと気づいたらすぐマイナンバーカードの一時停止を申請し、暗証番号だけは誰にも知られないようにしておくことが重要です。
送金先を間違えても運営会社は資産を取り戻せない
ここまで見てきたとおり、マイナウォレットは紛失に強い設計です。
しかし、送金の操作そのものは最後まで自分の責任で行うことになります。
マイナウォレットは、資産を動かす権限が利用者側にある自己管理型のウォレットです。
そのため、送金先を間違えても、運営会社が代わりに取り戻すことはできません。
しかも、ブロックチェーンの送金は、一度実行すると取り消せません。
銀行振込なら、間違えたときに「組戻し」を依頼できる場合がありますが、ブロックチェーンには取引を取り消せる管理者がいません。
誰にも止められない代わりに、誰にも取り消してもらえない仕組みなのです。
ですから、間違ったアドレスや対応していないチェーンに送ってしまうと、その資産は戻りません。
とはいえ、やるべきことをやれば、事故はかなり防げます。送金の前に、次の5つを確認してください。
- アドレスは手入力しない
- 貼り付けたあとに目視で確認
- チェーンを確認
- まずは少額でテスト送金
- 着金を確認してから本番の送金
特に、貼り付けたあとの目視確認は、面倒でも省かないでください。
なぜなら、コピーした内容を監視して、攻撃者のアドレスに勝手に書き換えるタイプのウイルス(マルウェア)が存在しており、コピペしたから安全と思い込んでいると、貼り付けた先がすり替わっていても気づけないためです。
だからこそ、貼り付けた文字列を自分の目で確かめる必要があります。
つまりマイナウォレットは、アカウント復旧ができるようにはなりましたが、送金先を間違えてもやり直せるわけではありません。
この線引きさえ理解していれば、必要以上に怖がることはありません。
紹介した5つの項目を習慣にしておけば、マイナウォレットを安心して使えます。
マイナウォレットの将来性は?期待される4つの変化を解説

マイナウォレットの将来性を考えるうえでは、会社の展望とこれまでの連携実績が参考になります。
マイナウォレット株式会社は、Coincheck・三井住友カード・JCB・りそなホールディングス・しずおかフィナンシャルグループなどと連携し、千葉工業大学での実証はじめ、実証実験を重ねてきました。
こうした取り組みから、マイナウォレットには期待される4つの変化があります。
本人確認(KYC)が簡略化される
本人確認が変わるのは、マイナウォレットの中だけの話ではありません。
私たちがサービスごとに何度もやり直している本人確認そのものが、いずれ1回で済むようになるかもしれません。
事実として、マイナウォレット株式会社は、2025年10月24日に公的個人認証サービス(JPKI)のプラットフォーム事業者として、主務大臣認定(内閣総理大臣・総務大臣による認定)を取得しました。
参照メディア:デジタル庁|プラットフォーム事業者一覧及び事例一覧
つまり、自社のアプリだけでなく、ほかの事業者や公的サービスにも、マイナンバーカードによる本人確認の仕組みを提供できる立場になったということです。
これが、将来性につながるのは、いま私たちは取引所でも金融サービスでも、使うたびに身分証を撮影して審査を待つという本人確認を繰り返しているからです。
マイナウォレットが目指しているのは、マイナンバーカードで一度確認した本人確認の結果を、ほかのサービスでも使えるようにすることです。
プラットフォーム事業者としての認定は、そのための足場にあたります。

マイナウォレットの本人確認の仕組みが、ほかのサービスにも広がっていけば、以下のような変化が期待されます。
- 自分の本人確認がサービスごとにやり直さず1回で済む
- 公的な本人確認が土台にあることで、なりすましや複数アカウントの作成を防ぎやすくなる
ただし、注意しておきたいのは、こうしたサービス連携が今すぐに実現できているわけではないという点です。
現時点では、ほかのサービス側から、このウォレットの持ち主が本人確認済みかどうかを判断する手段はありません。
つまり、この変化により最も恩恵を受けるのは、私たち利用者です。
サービスを使うたびに繰り返してきた本人確認の手間が、将来的にマイナンバーカード1枚で簡略化される可能性があります。
国内でのステーブルコイン決済の普及が加速する
日本国内でステーブルコインが決済に使われる場面は、まだほとんどありません。
それを変えようとする動きが、すでに実店舗で始まっています。
ステーブルコインでの決済が普及しなかった理由は、以下の3つの壁があったためです。
- 利用者側:ウォレットを作るのが難しく、使える人が限られた
- 店舗側:受け取っても価格変動や会計処理が面倒だった
- 決済インフラ側:いつものレジや端末では扱えなかった
マイナウォレットの実証実験は、この3つの壁に、それぞれ答えを出そうとしています。
利用者側は、マイナンバーカードがあれば誰でも作ることができます。
店舗側は、日本円で受け取れるので価格変動や会計の手間がありません。
決済インフラの面では、すでにお店にある端末やQRコードをそのまま使えるため、いつものレジで扱えます。
こうして、利用者・店舗・決済インフラという3方向のハードルを同時に下げているのが、この取り組みの核心です。
実際に、以下のような動きが進められています。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年1月16日 | 三井住友カードと、マイナンバーカードを使ったステーブルコイン(JPYC)決済の「連続実証実験プログラム」を開始し、その第一弾を福岡市の照葉積水ハウスアリーナで実施。 |
| 2026年2月24日〜3月2日 | デジタルガレージ・JCB・りそなホールディングスと協力し、東京都渋谷区のカフェ「Pangaea Cafe & Bar」で、実店舗でのQRコード決済を実施。 |
参照メディア:三井住友カード|三井住友カードとマイナウォレット、マイナンバーカードを活用したステーブルコイン決済の連続実証実験を共同で開始
2026年2月に行われた実証実験に関しては、店舗の営業を考慮して平日の午後2時以降に限定し、米ドル建てのUSDC(Base上)と、日本円建てのJPYC(Polygon上)の2種類が使われました。
この2月の実証でマイナウォレットが提供したのは、決済の窓口になるマイナペイという仕組みです(詳しくは後述します)。
ここで注目したいのは、実証実験が営業しているカフェで営業時間中に行われたという点です。
ステーブルコインでの決済が、本当にお店で使えるのかを現場で確かめる段階まできています。
しかし、いずれも期間限定の実証実験であり、今すぐ・どこでも常時使える状態になったわけではありません。
つまり、マイナウォレットは、ステーブルコイン決済の普及を止めていた、利用者・店舗・決済インフラの3つの壁に答えを出そうとしています。
実店舗での実証を積み重ねるほど、日本国内でステーブルコインで決済するという選択肢が、将来的に普及していくと期待されています。
以下の記事では、ステーブルコイン自体の仕組みやおすすめの購入方法などを解説しています。
ステーブルコインはどこで買う?おすすめの購入方法はこちらで解説
マイナペイによるタッチ決済とインバウンド需要への広がり
次に期待できるのは、マイナペイによる「かざすだけの決済」と、その先にあるインバウンド需要への広がりです。
前の項目で触れたとおり、2月の実証実験で、マイナウォレットは決済の窓口となるマイナペイという仕組みを提供しました。
マイナペイとは、マイナウォレットに入っている暗号資産やステーブルコインを、店舗での支払いに使うためのサービスです。
マイナンバーカードにチャージするのではなく、マイナンバーカードをかざすと、マイナウォレット内の資産から支払われます。

デジタルガレージ・JCB・りそなホールディングスとの実証で、実際に店舗での支払いに使われており、すでに実装して試す段階に来ています。
注目したいのが、マイナンバーカードをかざすタッチ決済にこだわっている点です。
QRコードではなくタッチ決済を採用した理由は、QRコードの読み取りに慣れていない人でも使えるからです。
実際に、三井住友カードとの実証でも、決済端末(stera)にマイナンバーカードをかざす方式が採用されました。
かざすという動作は、交通系ICカードや電子マネーですでに広く定着しているので、新しい操作を覚える必要がありません。
高齢者を含む幅広い層に使ってもらう、という運営会社の方針とも合っています。
その先に見えているのが、インバウンド(訪日外国人)需要です。
ここは誤解されやすいので正確に整理すると、訪日外国人がマイナウォレットを使うわけではありません。
そもそもマイナンバーカードは日本国民のためのものなので、外国人観光客はマイナウォレットを作れません。
ポイントは、店舗側がステーブルコイン決済に対応することです。
お店が対応すれば、その恩恵は日本人だけでなく、訪日外国人が自分のウォレットに保有しているUSDCなどで支払えるようになります。
実際に2月の実証実験でも、マイナウォレットのほかに海外のウォレットアプリが同じ店舗で使われていました。
つまり、マイナウォレットの役割は、日本側で決済の受け皿を広げることです。
店舗の対応が進むほど、あらゆるウォレットからの支払いを受け入れられるようになります。
実証実験に参画した各社も、訪日客を含む誰もが日常の買い物や飲食で、ステーブルコインをスムーズに使える社会を目指すと表明しています。
マイナペイによるかざすだけの支払いが広がり、決済の受け皿も広がれば、ステーブルコインでの決済は、将来的に日本国内で普及していくと期待されています。
給付金・補助金の配布インフラになる
ここから先は、まだ実現していない話です。
運営会社が今後の展開として挙げているもので、自治体との具体的な取り組みが発表されているわけではありません。
ただ、仕組みとして相性がいいのは確かなので、これまでの給付金の課題と照らし合わせながら見ていきます。
まず、これまでの給付金は受け取るまでに時間がかかるのが当たり前でした。
過去の一律給付では、申請書の郵送・記入・返送に始まり、自治体側での本人確認と口座情報の確認、そして振込処理と、手元に届くまで数か月かかったケースがあり、オンライン申請でも口座情報の入力ミスや世帯情報との照合で処理が滞ることがありました。
ボトルネックとなったのは、本人確認と振込先の把握の2つです。
ここで、マイナウォレットの特徴が効いてきます。
マイナウォレットは、マイナンバーカードで本人確認を済ませたウォレットなので、本人確認と振込先が最初からそろっています。
マイナウォレットは、給付に関するボトルネックを同時に解消できる可能性があります。
うまくいけば、給付金対象者のウォレットへ直接、すばやく配れる期待があります。
加えて、本人確認済みのウォレットに配ることで、二重受給やなりすましによる受給も防ぎやすくなります。
もう一つ、デジタルならではの利点として、給付するデジタルの資産に、条件をあらかじめ組み込むことができます。
たとえば「市内の加盟店でのみ使える」「3か月以内に使わないと失効する」といった条件を、給付そのものに埋め込めます。
しかし、マイナンバーカードを持っていない人には届かないなど、乗り越えるべき課題は多くあります。
具体的には、スマートフォンを使わない層への配慮や自治体側のシステム改修や制度の整備などです。
給付金は誰一人取り残さないことが前提なので、この受け皿づくりは大きな宿題として残ります。
つまり、マイナウォレットは給付金の配布インフラとしては、まだ構想段階であるものの、本人確認と振込先という長年の壁に、正面から答えられる素質を持っています。
将来的に制度や受け皿が整っていけば、給付が早く・無駄なく届く仕組みへと近づくことが期待されます。
マイナウォレットの使い方をアプリの導入方法から紹介

ここからは、マイナウォレットの使い方を、事前準備から順番に解説していきます。
マイナンバーカードと対応端末があれば、簡単に始められます。
事前に必要なもの・対応端末を確認する
最初に、以下のものを用意しましょう。
- マイナンバーカード(電子証明書が有効なもの)
- カードの暗証番号(本人確認に使う番号)
- 対応するスマートフォン
マイナウォレットの対応端末は、iOS 16.4以上を搭載したiPhone、またはNFC(Type-B)読み取りに対応したAndroid端末です。
NFCとは、カードをかざして読み取る近距離無線の機能のことを指します。
利用しているスマートフォンが、対応しているか事前に確認しましょう。
なお、電子証明書には有効期限があり、カード本体より先に切れます。
期限切れの場合は市区町村の窓口で更新を行いましょう。
マイナウォレットアプリをダウンロード
次に、アプリをダウンロードしましょう。
マイナウォレットは、2026年7月21日からApp StoreとGoogle Playで提供されています。
お使いのスマートフォンのストアでマイナウォレットと検索し、アプリをダウンロードしてください。
アカウントを作成する
アカウント作成手順は、以下の通りです。

①マイナウォレットアプリ内「新しく始める」をタップ

②利用規約を確認し「同意して次へ」をタップ

③マイナンバーカードを読み込ませ本人確認を行う
その後、ユーザー設定を行えばマイナウォレットのアカウントが作成できます。
本人確認を行う際は、署名用電子証明書の暗証番号(英数字6〜16桁)が必要です。
この暗証番号を忘れてしまった方やロックがかかっている方は、スマートフォンとコンビニのマルチコピー機、または市区町村の窓口で初期化・再設定が可能です。
本人確認後は、アカウントを操作するためのパスキーを登録します。
登録以降は、このパスキーで操作を承認します。
そのため、利用者はパスワードを覚えておく必要はありません。
利用スタート
アカウントが作成できたら、ホーム画面が表示されます。
保有している資産の残高や推移は、ホーム画面で確認できます。
しかし、作成したばかりのウォレットは、暗号資産やステーブルコインなど、自身の資産が何も入っていない状態です。
次の章では、マイナウォレットに保有している資産を入れる方法を解説します。
マイナウォレットで暗号資産は購入できる?資産の入れ方について
マイナウォレットは、資産を保管・送受信するウォレットであり取引所ではないため、暗号資産を購入する機能は、現時点ではありません。
そのため、マイナウォレットに資産を入れる一般的な流れは、次のようになります。

送金の際は、対応チェーンとアドレスを必ず確認してください。
チェーンやアドレスを間違えると、送ったはずの資産は届きませんし、戻りません。
特に初めて資産を送るときは、まず少額でテスト送金し、着金を確認してから残りを送ると安全です。
なお、マイナウォレットのアプリは、今後新しいサービスが導入される可能性があるため、最新の状況はアプリや公式サイトを確認しましょう。
マイナウォレットのデメリット・リスクを5つ紹介

マイナウォレットには期待できる点が多い一方で、デメリットやリスクもあります。
実際にマイナウォレットを使い始める前に、以下5つの注意点を確認してください。
マイナンバーカード未取得・NFC非対応端末では使えない
マイナウォレットは、マイナンバーカードとNFC対応のスマートフォンを持っていないと利用できません。
ここでは、自分がマイナウォレットを使える環境にあるかどうかを確認していきましょう。
まず、最もつまずきやすいのが、自分のスマホは対応しているのかという点です。
NFC(かざして読み取る機能)の中でも、マイナンバーカードの読み取りには、Type-Bという方式への対応が必要です。
規格名だけでは判断しづらいので、機種ごとの確認方法を整理していきます。

なお、格安スマホや古い機種では、NFCに対応していない可能性があるので、心当たりがある方は、事前の確認をおすすめします。
次に、マイナンバーカードそのものについてです。
マイナンバーカードを持っていない場合は、まず申請から始める必要があります。
マイナンバーカードを申請してから手元に届くまでは、自治体によって異なりますが1か月前後かかるのが一般的です。
また、意外と多いのが、マイナンバーカードは持っているのに使えないといったケースです。
マイナンバーカードの中の電子証明書には有効期限があり、これはカード本体よりも先に切れてしまいます(発行から5回目の誕生日まで)。
期限が切れているとマイナンバーカードは使えないため、その場合は市区町村の窓口で更新の手続きが必要です。
つまり、マイナウォレットを使うには、マイナンバーカードと対応端末の2つが必要です。
どちらも持っていない場合は、カードの申請から始めることになるので、思い立ってすぐ使えるわけではない、という点は理解しておきましょう。
対応チェーン・対応資産が限られる
マイナウォレットは、扱えるチェーンや対応資産も、まだ限られています。
ここでは、対応チェーンや資産が限られることで、自分の使い方にどう響くのかを見ていきましょう。
まず知っておきたいのが、外部サービスとつながる場面での制約です。
暗号資産のウォレットは、資産を保管するだけの入れ物ではありません。
NFTを売り買いするお店(マーケットプレイス)や、外部のさまざまなブロックチェーンサービスに接続して使うのが一般的です。
マイナウォレットがそうした外部サービスにどこまで接続できるかは、現時点で公表されていません。
そのため、マイナウォレットが従来の暗号資産ウォレット(MetaMaskなど)の代わりになれるかという視点では、まだ判断できないのが実情です。
次に、他のウォレットからの乗り換えについてです。
すでに別のウォレットで資産を持っている人が、そのままマイナウォレットに資産を移せるとは限りません。
特に、マイナウォレットが対応していないチェーンにある資産は、移す前にいったん対応チェーンへ移動させる、というひと手間が必要になる可能性があります。
そして、マイナウォレットを使い始めるときに困りやすいのが、対応銘柄の一覧が公開されていない点です。
対応チェーンに関しては、6つと明記されていますが、そのうえでどの銘柄が扱えるかの一覧は公表されていません。
マイナウォレットで管理できるのは、暗号資産・ステーブルコイン・NFTですが、個別の銘柄まではわからないといった状態です。
そのため、幅広いチェーンやサービスを使い分けたい人には物足りなく感じられるかもしれません。
マイナウォレットは、いろいろなチェーンを使い分けたい人の乗り換え先というより、マイナンバーカードを入口に暗号資産を始める人のためのウォレットといえます。
ガス代の負担には条件がある
ガス代は、条件次第で運営会社が負担しますが、その中身が公表されていません。
どこまでが無料なのかを使う前に見通せないため、注意が必要です。
まず、条件の具体的な数値が公表されていません。
何回までなら無料か、いくら分まで無料なのかといった線引きが分からないため、使う前に費用を見積もれない状態です。
前のデメリットで触れた対応銘柄が確認しづらいという話と同じで、事前に確かめたくても確かめられない、という不便さがあります。
次に、その条件を超えたときにどうなるかも明記されていません。
自分で手数料を負担することになるのか、それともその取引自体ができないのかも公表されていないため、無料の範囲を超えたら、いくら払うことになるのかが事前に分からないのが実情です。
そして、いちばん頭に入れておきたいのが、ガス代の無料がずっと続くとは限らないという点です。
ガス代はもともと、取引を処理するブロックチェーンのネットワークに支払われるもので、それを、運営会社が自社の費用として肩代わりしています。
つまり、利用者が増えれば増えるほど、ガス代を支払う会社の負担も大きくなる仕組みです。
事業の状況によっては、将来この条件が見直される可能性も、現実的に考えておきましょう。
さらに、ここで一歩踏み込んで考えたいのが、無料であることを前提に使い方を組み立ててよいのかという点です。
ガス代がかからないといって、気軽にたくさん送る使い方をしていると、将来この条件が変わったときに、その分影響を受けます。
ガス代は、あくまで運営会社の負担によって成り立っている状態だと理解することが重要です。
つまり、ガス代の肩代わりは便利な一方で、どこまで無料か・超えたらどうなるか・いつまで続くかのいずれも、利用者側から見通せません。
今すぐ困る話ではありませんが、無料であることを当てにしすぎず、条件が変わっても支障のない使い方を意識しておくとよいでしょう。
規制環境の変化で利用の有無が変わる
次のデメリットは、法律やルール(規制)の変化によって、使える範囲やサービスの内容が変わる可能性があることです。
特に暗号資産のルールは、今まさに大きく動いており、マイナウォレットに限らず暗号資産を扱うサービス全体に関わってきます。
まず、2026年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、暗号資産が金融商品と位置づけられました。
法改正によって変わることとして、これまで暗号資産は資金決済法という法律で扱われてきましたが、今回の改正で、金融商品取引法(金商法)へ移ります。
金融商品取引法に移ることで、情報公表のルールや、事業者への規制、内部情報を使った不公正な取引を禁じるルールなどが整えられます。
その一方で注意したいのが、規制が厳しくなるだけの話ではないという点です。
利用者保護を強める一方で、税の扱いの見直しや暗号資産に連動するETF(上場投資信託)の解禁につながる可能性が指摘されています。
なお、今回の改正で金融商品取引法へ移るのは、ビットコイン等の暗号資産です。
マイナウォレットで扱えるステーブルコインは「電子決済手段」という別の区分にあたり、暗号資産とは扱いが分かれます。
以上のような法律や規制の変化が、マイナウォレットを使う人にとって何を意味するかというと、ルールが変われば、その結果としてサービスの内容や扱える資産が変わる可能性があるということです。
つまり、マイナウォレットを取り巻く環境は、現在大きく変わっている最中です。
今日の使い方が、この先もそのまま続くとは限りません。
マイナウォレットを利用する際は、前提が動く可能性があるものとして捉え、金融庁など公的機関の発表などから最新情報を確認しましょう。
また、以下の記事では、今回の金融商品取引法の改正に伴う、PBR LENDINGの見解をお伝えしています。
このたびの金融商品取引等の改正についてPBR LENDINGの見解について
マイナウォレット株式会社の信用リスクがある
運営会社であるマイナウォレット株式会社の信用リスクも、判断材料の一つです。
会社の信用リスクにおいて最も気になるのは、会社がなくなった際に自分の資産はどうなるのかだと思います。
結論から先にお伝えすると、資産そのものは残りますが、これまでと同じように使えるとは限りません。
まず、マイナウォレットは自己管理型のウォレットで、資産はブロックチェーン上にあります。
運営会社が利用者の資産を預かっているわけではないので、仮に会社が倒産しても、資産が没収されたり返ってこなくなったりすることは、理屈的にはありません。
ただし、マイナウォレットを今までと同じようには使えなくなる可能性があります。
マイナウォレットのサービスである、パスキーでの操作やマイナンバーカードでの復旧は、どれも運営側のシステムがあって初めて成り立っているためです。
特にガス代に関しては、運営会社が肩代わりしているため、会社の状況によってはそのまま利用者負担になる可能性があります。
以上のことからも、会社の信用リスクにより、資産は残るが資産を取り出す手段が変わるかもしれないという点に注意が必要です。
次に、マイナウォレット株式会社が信頼できる会社かどうかを判断するために、材料になる事実をあげていきます。
マイナウォレット株式会社の株主には、コインチェックの親会社であるCoincheck Group N.V.が入っています。
上場企業が出資するにあたっては、事業内容や財務状況を調べたうえで判断しているはずで、外部の目が一度入っているという見方ができます。
また、公的個人認証サービス(JPKI)のプラットフォーム事業者として主務大臣認定を受けています。
ただしこれは本人確認の仕組みを扱う事業者としての認定であり、事業が続くことを保証するものではありません。
一方で、会社自体は2023年設立の少数精鋭のスタートアップ企業で、規模はまだ大きくありません。
つまり、マイナウォレット株式会社の信用リスクは、このアプリを使い続けられるかといったリスクにつながります。
ウォレットの使いやすさを重視する人は、運営会社の資金調達や提携の発表など、会社の動きを確認しておくと安心です。
マイナウォレットに関するよくある質問

ここでは、マイナウォレットに関するよくある質問をまとめています。
マイナウォレットの利用を検討している方は、参考にしてみてください。
Q.マイナウォレットは国が運営しているサービスですか?
A.いいえ、マイナウォレットは国が運営しているサービスではありません。
運営は民間企業であるマイナウォレット株式会社です。
本人確認に使う公的個人認証サービス(JPKI)は国の仕組みですが、アプリの提供や運営は民間が担っています。
ただし、JPKIを民間で扱うには国の認定が必要で、同社は2025年10月に主務大臣認定を取得しています。
Q.マイナンバーカードに暗号資産が保存されるのですか?
A.いいえ、マイナンバーカードに暗号資産が保存されるわけではありません。
暗号資産はブロックチェーン上に記録され、それを動かす操作はマイナウォレットに登録したパスキー(指紋や顔認証)で行います。
マイナンバーカードは、本人確認とアカウント復旧に使うためのものです
Q.マイナウォレットで得た利益に税金はかかりますか?
A.原則として、課税の対象になります。
暗号資産を売却したり、他の暗号資産と交換したり、支払いに使ったりして生じた利益は、多くの個人の場合は雑所得として扱われます。
日本円に換えていなくても支払いに使った時点で課税対象になる点に注意してください。
なお、2026年3月に成立した改正所得税法により、一定の要件を満たす暗号資産については、今後20%の申告分離課税へ移行することが決まっています。
ただし対象は登録業者を通じて取引される特定暗号資産に限られ、それ以外は引き続き総合課税です。
適用時期も金融商品取引法の施行日に連動するため、まだ確定していません。
税額の計算方法や申告の要否は状況によって異なるため、国税庁の最新情報を確認するか税理士に相談しましょう。
Q.マイナウォレットはマイナンバーカードがなくても使えますか?
A.いいえ、マイナンバーカードがないと使えません。
マイナウォレットは、マイナンバーカードの公的個人認証サービス(JPKI)で本人確認を行います。
スマートフォンに搭載したマイナンバーカードでも利用できますが、搭載するにはまず物理カードの取得が必要です。
マイナンバーカードに加えて、NFC Type-Bに対応した端末(iOS 16.4以上またはAndroid)も必要になります。
マイナンバーカードを持っていない場合は、お住まいの自治体で申請してください。
手元に届くまでは1か月前後かかるのが一般的です。
マイナウォレットは日本で暗号資産やWeb3をより身近にする新しい選択肢

マイナウォレットは、マイナンバーカードを入口にして、暗号資産ウォレットの難しさを取り除こうとするサービスです。
シードフレーズを紙に書いて保管する必要も、送金のために別の暗号資産を用意する必要もありません。
なくしてもマイナンバーカードで復旧できます。
一方で、対応チェーンは6種類に限られ、ガス代の肩代わりにも条件があります。
そして最も大切なのは、送金先を間違えた資産は運営会社でも取り戻せないという点は、他の仕組みと変わらないということです。
なくしても入り直せることと、間違えてもやり直せることとは別だと理解しておいてください。
以上のことから、マイナウォレットが向いている人と向いていない人をまとめました。
マイナウォレットが向いている人
- これから暗号資産を始めたい人
- 少額で日常的な送受信や決済に使いたい人
マイナウォレットが向いていない人
- 匿名で利用したい人
- 多数のチェーンやサービスを使い分けたい人
マイナウォレットのサービスは始まったばかりで、法制度も動いている最中です。
マイナウォレットを利用する際は、必ずアプリや公式サイトで最新の情報を確認しましょう。
PBR LENDINGは、保有する暗号資産を増やしたい方に向けたレンディングのサービスを提供しています。
マイナウォレットとあわせて、暗号資産の活用方法の一つとしてご検討ください。
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