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このたびの金融商品取引法等の改正について

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このたびの金融商品取引法等の改正について

公開日:2026年7月24日

最終更新日:2026年7月24日

令和8年7月23日

お客様 各位

Portobello Road株式会社

取締役CEO 奈 良 﨑  匡 平

このたびの金融商品取引法等の改正について

平素より、PBRレンディングをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

ご高承のとおり、令和8年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が参議院でも可決され、成立することとなりました。改正法の成立により、暗号資産レンディング事業者にどのような影響があるか、既に一部のお客様からもご不安の声が寄せられております。

弊社としては、現時点で公表されている改正法の内容を前提とする限り、事業継続に重大な支障が生じるものではないと考えております。現時点の弊社の見解について、下記のとおりご説明申し上げますので、ご参考にしていただければ幸いです。

また、今後の動向につきましても、状況に応じて随時ご報告申し上げますので、引き続き弊社サービスをご利用いただければ幸甚に存じます。

1 結論

  弊社としては、改正法の成立だけでは、暗号資産レンディング事業(暗号資産消費貸借契約に基づき、事業者が顧客から暗号資産を借り受け、その暗号資産を自己の裁量に基づいて事業の用に供し、一定期間後、約定の利息(元本と同種の暗号資産)とともに借り受けた暗号資産と同種・同量の暗号資産(元本)を返還することを内容とする。)が、直ちに「暗号資産交換業」として、取引所と同様の「登録」を要する事態になるとは想定しておりません。改正法は、あくまで暗号資産の金融商品化への大枠を示すものに過ぎず、規制の詳細・細目については、今後制定される政令及び内閣府令に委ねられます。暗号資産レンディング事業のみを専門的に取り扱う事業者に対しては、①「暗号資産交換業」としての登録を要する事業者から除外する、②取引所より緩和された条件の中で何らかの登録を求める、など様々な制度設計が考えられます。

ただ、いずれにしても、取り扱う暗号資産が金融商品化されることに伴い、広告規制(虚偽・誇大広告の禁止)、リスク説明の徹底、暗号資産管理における安全性確保の徹底(分別管理、コールドウォレットでの管理等)等のことは求められることになります。弊社としては、万一にもお客様にご迷惑をおかけすることがないようにという決意から、これら予想される規制強化に対応できるよう既に自主的に規律を設けてまいりましたが、今後制定される政令及び内閣府令の内容を吟味し、登録の要否、登録が必要になるとしてその内容・要件の詳細、経過措置、猶予期間などを適切に精査・判断し、法令を遵守する形で事業を継続できるよう準備を怠らない所存です。

2 問題の所在

今回の主な改正内容は、①暗号資産を金融商品として位置づけ、証券市場に近いルールを適用することによって投資家保護を強化し、市場の公正性を確保すること、②暗号資産についても、株式市場と同様にインサイダー取引規制を導入すること、③「暗号資産交換業者」制度を定めて暗号資産取引所に対する規律を強化(証券会社に類似の規制を実施)すること、④無登録営業に対して罰則を大幅に強化すること、が挙げられます。これらの内容のほとんどは、従前から議論されていたことであり、今回の法改正の動きは概ね想定どおりでした。

しかしながら、③の「暗号資産交換業者」の定義において、利用者から「暗号資産の借入れ」を行う業務を暗号資産交換業の対象に追加すること(改正金融商品取引法第2条第8項25号)が盛り込まれたことから、弊社を含む暗号資産レンディング事業者も、取引所と同様に「暗号資産交換業者」として内閣総理大臣の登録を受ける必要があるのではないか、との疑念が生じました。

3 検討

(1)法文の字義通り解釈した場合には規制の範囲が広すぎること

   弊社は、本年4月の法案提出以降、改正法の動向を注視するとともに、法案が成立した場合の影響を検討してまいりました。今回の改正法を字義通りに適用すれば、DeFi市場において流動性を供給するために行う暗号資産の貸借や、反復継続的にグループ会社間で暗号資産を貸借取引することなども「暗号資産の借入れ」に該当する以上、「暗号資産交換業」に該当し、内閣総理大臣の登録を受ける必要がある、という結論になり得ます。

しかし、このような規制が過度に広汎なものであることは誰の目にも明らかであり、今回の改正法の趣旨が大きくは上記①にあるとすれば、これらのケースまで「暗号資産交換業」へ含める意図が改正法にあるとは考えにくいところです。

したがって、今後、政令及び内閣府令で規制の細目が定められる中で、一見すると「暗号資産の借入れ」に該当しそうでも、登録制度の適用除外となる一定のカテゴリーが設けられると考えられます。

弊社としては、今回の改正法の中心的な目的は、暗号資産市場全体の投資家保護及び市場の公正性確保にあるものと理解しております。弊社は、暗号資産レンディングのみを行う専門事業者については、今回は登録制度の適用除外とし、今後、あるべき法規制を具体的に検討し、将来の法改正の中でより実態に即した規制を行うのが適切であると考えており、そのようになることを願っております。

(2)既存事業者が登録可能な制度が定められるべきこと

   現状、暗号資産取引所を開設するために必要となる「登録」のハードルは極めて高く、実際には新規で開設を許されることはないのではないかと感じられるほどです。そのため、今回の法改正を受け、一部では、暗号資産レンディング事業者が取引所と同レベルの「登録」を求められた場合、「登録」を受けられず事業継続が困難となる事業者があるのではないか、との懸念が示されました。

   しかしながら、弊社を含む暗号資産レンディング事業者は、顧客からお借りした暗号資産を元に各社様々な事業展開を行い、その収益から利息を支払っているに過ぎず、暗号資産の交換・売買はもとよりカストディ業務を行うものではありません。それにもかかわらず、暗号資産取引所と同様に証券会社に類した規制を受けなければならないとすれば、それは過重な規制となります。暗号資産レンディング事業者に何らかの登録制度を設けるとしても、それは暗号資産レンディング事業者としての適法性や安定性・安全性を確保するための制度設計であるべきであり、取引所と同じ規制を設けるべき合理的な理由はありません。

暗号資産レンディング事業者について、何らかの「登録」を必要とするとしても、その業務内容が取引所と異なる(レンディング事業は交換業者が提供し得るサービスの一つに過ぎないはず。)以上、その要件や難度は取引所のそれより緩和された別のものであるべきです。そうでなければ、規制の目的(レンディング事業の適正)と規制の手段(取引所向けの規制)とが明らかに必要性・合理性を欠くものとなり、ただ単にレンディング事業を阻害するだけのことに帰着するからです。

また、その「登録」のための準備についても、一定の経過措置や猶予期間が設けられ、その間はこれまでどおり事業が継続できる必要があります。

もし、今後の法令の整備の中で、過度に高い登録要件を設け、既存事業者が一律に市場から退出を余儀なくされるような制度設計がなされるとすれば、規制目的との均衡を欠く点で、日本国憲法が保障する「営業の自由」を不当に侵害するものといわざるを得ません。このように、もし、今回の法改正に付随して、暗号資産レンディング事業者が何らかの「登録」を受けなければならないとしても、それは適正に事業を運営してきた既存の事業者にとって十分に超えられるハードルでなければならず、既存事業者の事業継続に十分に配慮した制度設計が望まれます。

(3)暗号資産レンディング事業の実態に即した規制がなされるべきこと

弊社は、暗号資産レンディング事業に対して必要な法的規制がなされる ことに反対するものではなく、詐欺的事業者の新規参入を防ぐためにも、必要かつ合理的な規制はむしろなされるべきと考えております。

暗号資産レンディング事業は、現状、どの法規制の枠組みにも該当しないと判断されているように、突き詰めて考えれば、既存の様々なサービスの良いところを集めて、それを暗号資産というツールで実現したまったく独自の事業ということになります。暗号資産レンディング事業は、一部類似する点があったとしても、投資運用業(投資運用業の場合、顧客資産の所有権が顧客に残り、運用成果が顧客帰属する。)でも、集団的投資スキーム(投資対象が特定されている。)でも、銀行業(消費寄託契約と解される。)でもなく、リスクの性質も異なります。

そのため、暗号資産レンディング事業に対する法的規制を検討する際には、ある一面を捉えて無理やり既存の法規制の枠組みにはめ込むのではなく(リスクの性質が異なるにもかかわらず、他の規制体系を一律に適用することは、比例原則の観点から慎重な検討がなされる必要があります。)、暗号資産レンディング事業という事業のどの側面を捉えてどういう規制をするかを検討しなければなりません。例えば、財務規制・リスク管理、顧客保護・情報開示といった部分は、既存の金融商品取引法の枠組みを参考にしながら暗号資産という特殊性を加味して検討することになるでしょうし、暗号資産の管理やセキュリティという部分は、既存の取引所に対する規制の一部を持ち込むことになると考えます。

このように、弊社としては、暗号資産レンディング事業については、その実態に即した新たな規制がまったく別枠組みで新たに検討されるのが最も望ましいと考えており、その過程では、我々のように適切な内部管理体制の整備に取り組んでいる事業者の声を是非とも反映していただきたいと考えております。

(4)小括

改正法の文言がストレートに適用された場合に問題があることは、当然、金融庁はじめ関係当局においても、制度設計に当たり既にご検討されているものと考えております。改正法の提案理由やこれまでの金融審議会報告をみれば、今回の改正法は、取引所が行っているサービスを暗号資産交換業として列挙する必要から、ステーキングサービスを広く捉えて「暗号資産の借入れ」という項目を追加したに過ぎず、暗号資産レンディング事業者を取引所と同列に規制する意図でこの文言を加えたわけではないと考えられます。

弊社の見解をごく簡単にまとめますと、①暗号資産レンディング事業は、今回は規制を免れ、新たな規制枠組みが今後検討される、又は②今回何らかの規制がなされるが、超えられるハードルであり、事業継続に支障はない、のいずれかであろうというものです。改正法は、制度の大枠を定めるものであり、その詳細な細則は、今後制定される政令及び内閣府令に委ねられますので、実際のところ弊社ら暗号資産レンディング事業者にどのような影響が生じるかについて、現時点では確定的なことは分かりません。

今後公開される法令がどのようなものであるとしても、弊社は、今後公表される制度設計を継続的に確認するとともに、必要に応じて外部専門家とも連携しながら、弊社として必要な対応を順次進めてまいります。この先も事業を継続し、お客様とのご契約を法令に適合した形で継続的に履行できるよう最大限努めてまいりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

以上

奈良﨑 匡平

執筆者

奈良﨑 匡平

Portobello Road株式会社

代表 最高経営責任者

国内大手アパレル企業の事業戦略推進部にて社内コンサルタントとして事業戦略・新規事業開発を担当。2020年に起業。マーケティング、データ分析、企画・デザイン、PMを横断した事業構築を軸に、地方行政や複数企業の顧問としても活動。
暗号資産領域にも早期から関わり、PBRレンディングを基盤とした金融・事業モデルを展開。暗号資産の金融的価値をリアルアセットや地域資源と接続し、実体経済へ還元する資金循環の仕組みを構築している。

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